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🔰 初心者向け:機械測定の基本ツール解説ブログ 🛠️

機械加工やメンテナンスの現場で欠かせない、基本的な寸法状態を測るツールたち。今回は、主要な測定機器の種類とその用途をまとめて紹介します!

📏 長さ・寸法を測る基本ツール

物の大きさや深さなどを正確に測定するために使われる代表的なツールを紹介します。

1. ノギスの種類

ノギスは、物の外側内側深さなどを手軽に測れる携帯性に優れた測定器です。

種類特徴
標準ノギス一般的なノギス。本尺と**副尺(バーニヤ)**で読み取ります。
デジタルノギス測定値がデジタル表示されるため、読み取り誤差が少なく、操作が簡単です。
ダイヤルノギス副尺の代わりに**ダイヤル(文字盤)**がついており、細かい読み取りがしやすいです。
デプスノギス深さの測定に特化しています。
歯厚ノギス歯車の歯の厚さを測るのに使われます。

2. マイクロメーターの種類

マイクロメーターは、ノギスよりも高精度な測定に適したツールです。主にねじの原理を利用して測定します。

種類特徴
外側マイクロメーター丸棒などの外径厚さを測ります。最も一般的です。
内側マイクロメーター内径を測ります。
デプスマイクロメーター段差穴の深さを高精度で測ります。
ネジマイクロメーターネジ山の有効径などを測ります。
デジタルマイクロメーター測定値がデジタル表示され、読み取りが容易です。

3. ダイヤルゲージ

ダイヤルゲージ(てこ式、またはピストン式)は、測定子の微細な動き文字盤の針の動きに拡大して表示する測定器です。

  • 用途: 工作機械の芯出し、部品の振れ(ブレ)、平行度平面度偏心などの相対的な変化量バラツキを測るのに使われます。
  • 構造: テコやラック・ピニオン機構により、測定子の動きを増幅し、大きなダイヤルで読み取れます。

4. シリンダーゲージ

シリンダーゲージは、内径高精度で測るための測定器です。

  • 用途: エンジンシリンダーなどの真円度(穴の丸さ)や、穴の内径の寸法を測るのに使われます。
  • 特徴: ダイヤルゲージ(またはデジタル表示器)を先端に取り付けて使用し、穴の径の最大値最小値を読み取ります。

5. 隙間ゲージ (シックネスゲージ)

隙間ゲージは、部品と部品の間の**ごくわずかな隙間(クリアランス)**の寸法を測るために使います。

  • 特徴: 厚さの異なる**薄い鋼のブレード(葉)**がセットになっており、測定したい隙間に合うブレードを差し込んで隙間の厚さを特定します。
  • 用途: エンジンのタペットクリアランス調整や、金型の合わせ面の確認など、精密な組み立て作業で活躍します。

6. 水準器

水準器は、機器や構造物の水平(水平面からの傾き)や垂直を測るためのツールです。

  • 種類:
    • 気泡管水準器: ガラス管内の液体に気泡があり、気泡が管の中央にあるときに水平を示します。
    • デジタル水準器: 傾きをデジタル数値で表示します。
  • 用途: 工作機械の設置、テーブルの水平出し、建築現場での基準出しなどに使われます。

🔥 温度・流れを測るツール

モノづくりの品質管理やプロセス管理に欠かせない、流れに関わる測定機器です。

7. 温度の単位

私たちが日常的に使う温度の主な単位は以下の通りです。

単位名称概要
セルシウス度(摂氏)日本を含め、世界で最も一般的に使われる単位。水の氷点を $0^\circ\text{C}$、沸点を $100^\circ\text{C}$ と定めています。
$\text{K}$ケルビン(絶対温度)科学や工学の分野で使われる絶対温度の単位。 $0\text{K}$ は理論上の絶対零度を示し、約 $-273.15^\circ\text{C}$ に相当します。
$^\circ\text{F}$ファーレンハイト度(華氏)アメリカなどで使われます。水の氷点は $32^\circ\text{F}$、沸点は $212^\circ\text{F}$ です。

8. 温度計の種類

温度計は、熱電対抵抗熱放射など様々な原理を利用して温度を測定します。

種類原理特徴・用途
ガラス温度計液体(水銀・アルコール)の熱膨張安価で手軽な測定に。高精度だが、割れるリスクがあります。
バイメタル温度計異なる金属板の熱膨張差比較的広い範囲の温度計で、主に産業用や工業用に使われます。
熱電対温度計異なる金属の接合点に生じる熱起電力(ゼーベック効果)応答速度が速く、広範囲の温度(特に高温)測定に適しています。
測温抵抗体白金などの金属の電気抵抗が温度で変化する現象精度が高く安定しているため、精密な温度管理に使われます。
放射温度計物体から放射される赤外線(熱放射)測定対象に触れずに温度が測れます。高温測定や食品衛生管理などに便利です。

9. 流量計の種類

流量計は、パイプダクトを流れる液体気体(流量)を測るための機器です。

種類原理特徴・用途
差圧式流量計流路に絞りを設け、前後の差圧から流量を算出オリフィス、ベンチュリなど。構造が簡単で信頼性が高いです。
面積式流量計流体によって**フロート(浮子)**が持ち上げられる高さで流量を測定瞬時流量が目視で確認でき、構造が単純です(ロータメーター)。
電磁流量計導電性流体が磁界を横切る際に生じる起電力(ファラデーの法則)圧力損失がほぼなく、酸・アルカリなどの測定に優れます。
超音波流量計流体中の超音波の伝播時間や周波数の変化を測定パイプの外側から測定できる非接触タイプもあります。
コリオリ式流量計流体が振動する管内を流れる際に生じるコリオリの力質量流量を直接測れ、高い精度が求められる計測に使われます。

これらの測定機器は、私たちの身の回りにある多くの製品の品質安全性を支えています。正しく使いこなし、モノづくりの精度を向上させましょう!

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