こんにちは!製造業の現場効率を左右する重要な要素、それが工程編成、すなわち生産ラインの組み方です。どのような製品を、どれだけの量作るかによって、最適なラインの形は全く異なります。
今回は、主要な工程編成の種類と、それぞれの特徴をキーワードと共にご紹介します。
大量生産を支える「ライン生産方式(フローショップ型)」
単一製品または類似品を大量に、連続して生産するのに最適なのがライン生産方式(フローショップ型)です。製品が一定の順序で工程を流れていくのが特徴です。
🚅 流れ作業とコンベヤ
- ライン編成の基本形であり、作業ステーションが工程順に直列に並びます。
- 製品の移動には、コンベヤ式(自動搬送)や手送り式(人力による移動)が用いられ、製品の移動距離を最小限に抑えます。
- この方式では、各作業ステーションでの作業時間を均等化するラインバランシングが非常に重要になります。
- 稼働率の最大化を追求しやすく、大量生産によるコストメリットが得られます。
🏗️ 移動作業式の代表例
自動車の組み立てラインのように、作業者が静止したままで製品が動く移動作業式がこの方式の代表的な例です。
カスタマイズと柔軟性重視の「機能別(ジョブショップ型)」
多品種少量生産や、顧客の仕様に合わせたカスタム品の製造に適しているのが機能別(ジョブショップ型)編成です。
🛠️ 機能でひとまとまり
- 旋盤、フライス盤、溶接など、同じ機能を持つ設備や作業者が一つの場所に集められます。
- 製品は、必要な工程ごとに移動するため、移動距離は長くなりがちですが、多様な原材料や加工に柔軟に対応できます。
- 作業者の稼働率は高くなりますが、製品の待ち時間(手待ち)が多くなる傾向があります。
🚶 静止作業式が基本
作業対象物(製品)は作業ステーションに静止しており、作業者がその場で加工を行います。静止作業式が基本となりますが、製品によっては人力で移動させます。
特殊な生産に対応するその他の編成
🔄 セル生産方式
- 作業者が複数の工程を担当し、少人数で多品種生産に対応する編成です。ライン編成の要素を持ちながらも、多能工による柔軟な作業ステーションの運用が可能です。
🗼 固定式編成
- 造船や大型機械の製造など、製品自体が大きすぎて動かせない場合に採用されます。製品(原材料)を定位置に固定し、設備や人力がその作業ステーションに移動して作業を行う方式です。
- この編成では、スペース効率や稼働率よりも、製品の大きさや作業の安全性が優先されます。
✅ まとめ
| 工程編成の種類 | 特徴的な生産方式 | 製品の移動(作業形態) | 重視される点 |
| ライン生産方式 | フローショップ型 | コンベヤ式(移動作業式) | 稼働率、移動距離の最小化 |
| 機能別編成 | ジョブショップ型 | 人力による移動(静止作業式) | 柔軟性、設備の稼働率 |
| 固定式編成 | 大物生産 | 固定式編成 | 原材料(製品)の静止、スペース |
適切な工程編成を選択し、作業ステーションの配置を最適化することが、生産管理におけるスペース効率と稼働率最大化への第一歩となります。

