自主保全士2級試験の準備、お疲れ様です!この試験は、設備を「止めない」「壊さない」ための知識とスキルが問われます。ここでは、試験範囲の中から特に重要な6つのテーマについて、要点をギュッと凝縮してまとめました。合格に向けて、ぜひ役立ててください!
締結部品および潤滑
このセクションは、設備の基本を支える要素です。
🔩 締結部品
- ねじの機能と種類:
- 機能: 部品同士を固定したり、力を伝えたりすること。
- 種類: 六角ボルト、スタッドボルト、座金(ワッシャー)、ナットなど。特に、緩み止め対策(ダブルナット、スプリングワッシャー、Uナットなど)の仕組みを理解することが重要です。
- ねじの締め付け管理:
- トルク管理: 規定の締め付け力(トルク)で締め付けることが、緩み防止と部品の損傷防止に不可欠です。トルクレンチの使用法を把握しましょう。
💧 潤滑(潤滑油・グリース)
- 潤滑の目的: 摩擦の低減、摩耗の防止、冷却、防錆、密封など。
- 潤滑方式: 給油(油浴式、飛沫式、循環式など)と給脂(グリース)。
- 潤滑剤の劣化: 熱、水分、異物混入などによる劣化現象(酸化、スラッジ発生)と、その判断方法(色、粘度、臭い)。
- 5Sの徹底: 潤滑油の適油・適所・適量・適期・適法は、設備寿命に直結します。
空圧および油圧
動力伝達の重要な手段である空圧・油圧システムについての知識が必要です。
💨 空圧(空気圧)
- 構成要素: コンプレッサ(空気圧縮機)、エアドライヤ(除湿)、F.R.L.ユニット(フィルタ、レギュレータ、ルブリケータ)、アクチュエータ(シリンダ、モータ)など。
- F.R.L.の役割:
- フィルタ(F): 圧縮空気中の水分やゴミを除去。
- レギュレータ(R): 圧力を調整し、一定に保つ。
- ルブリケータ(L): 摺動部への潤滑油を供給。
- トラブルと対策: 圧力低下、水や油の混入、エア漏れ(音による点検)など。
🌊 油圧
- 構成要素: 油圧ポンプ、制御弁(方向制御弁、圧力制御弁、流量制御弁)、油圧アクチュエータ(シリンダ、モータ)、油タンク、フィルタなど。
- 油圧作動油の管理: 清浄度(コンタミネーション)の維持が極めて重要です。異物や水の混入は、機器の寿命を大幅に縮めます。
- トラブルと対策: 圧力不安定、異常発熱、油漏れ(サイトグラスなどでの点検)。
駆動および伝達
設備を動かすための基本的な機構を理解しましょう。
⚙️ 軸受(ベアリング)
- 種類:
- ころがり軸受: ボールやころを使って摩擦を減らす。構造がシンプルで点検しやすい。
- すべり軸受: 軸と軸受の間に油膜を形成してすべらせる。
- 点検のポイント: 異音(ゴー、ガラガラ、シャー音など)、異常振動、異常発熱。これらの現象は軸受寿命の末期や潤滑不良を示唆します。
🔗 伝動要素
- 種類: ベルト(Vベルト、タイミングベルト)、チェーン、歯車(ギヤ)、カップリングなど。
- ベルト: **張り(テンション)**の適正管理が重要(張りすぎ、緩みすぎは寿命を縮める)。プーリーのアライメントも確認。
- チェーン: 張りの調整、給油が必須。
電気および測定機器関係
電気系統の基礎知識と、保全に必要な測定技術を習得します。
⚡ 電気保全の基礎
- 電気回路の基本: 電圧、電流、抵抗のオームの法則($V=IR$)の理解。
- 機器の確認: モータ(異常発熱、異音、振動)、リミットスイッチ、センサ、ヒューズ(溶断の確認)。
- 保護装置: 漏電遮断器(ELB)、過電流保護など。
📏 測定機器
- 種類と用途:
- ノギス、マイクロメータ: 寸法測定。正しい読み取り方が重要。
- テスタ(マルチメータ): 電圧・電流・抵抗測定。
- 回転計: モータなどの回転速度測定。
- 振動計: 軸受などの異常振動の診断。
- 測定の基本: ゼロ点調整、目盛の読み方、測定子の当て方など、正確な測定のための手順。
機器・工具および使用材料
作業の安全と効率に関わる知識です。
🔨 一般工具と安全
- 工具の正しい使い方: スパナ、めがねレンチ、トルクレンチなど、適切な工具を正しく使用することが、作業効率と安全性を高めます。
- 安全の基本: 保護具の着用(安全靴、ヘルメット、保護メガネなど)、作業手順の遵守、電源OFF・ロックアウトの徹底。
🔩 使用材料
- Oリング、パッキン: シール材の機能と、劣化・損傷時の交換基準。
- 接着剤、シーラント: 種類と適切な用途。
図面関係
設備を理解するための「言葉」である図面を読み解く力が必要です。
📐 図面の読み方
- 図面の種類: 組立図、部品図、配管図、電気回路図など。それぞれの役割と記載内容を把握する。
- 投影法: 第三角法(日本で主に使用)の基本を理解する。
- 線種: 実線(見える線)、破線(隠れた線)、一点鎖線(中心線)などの意味。
- 記号と注記: 寸法補助記号($\phi$、Rなど)、表面粗さ記号、溶接記号、JISの図記号(空圧・油圧)を読み解く。
📰 保全資料
- 取扱説明書、サービスマニュアル: 設備の情報源であり、保全計画やトラブルシューティングの基本となります。


