新NISAの普及で「S&P500」や「オール・カントリー(オルカン)」などの株式インデックス投資が人気です。しかし、それ1本に絞ることは本当に「合理的」なのでしょうか?
今回は、ノーベル賞理論に基づいた「アセットアロケーション(資産配分)運用」の本質について解説します。
投資家の仕事は「リターンを追うこと」ではない
多くの投資家は「いかにリターンを増やすか」を考えがちですが、長期投資家にとって真の仕事は「リスクを抑えること」にあります。
- リターン: 市場が決めるもの(後からついてくる)
- リスク: 自分でコントロールすべきもの
相場に居続けることさえできれば、リターンは自然と積み上がります。そのためには、大きな暴落で市場から退場しないための「守り」が不可欠です。
同じリターンなら「低リスク」の方がお金は増える
「平均リターンが同じなら、リスクが高くてもいいのでは?」と考えるのは間違いです。実は、価格の振れ幅(リスク)が大きいほど、複利の効果で実際の資産残高は減ってしまうという性質があります。
なぜリスクが高いと損をするのか?
10%下がったものが元の価格に戻るには、10%の上昇では足りず「11%」必要です。これが50%の下落(リーマンショック級)になると、元に戻すために「100%(2倍)」のリターンが必要になります。
下落幅を小さく抑えることは、効率的にお金を増やすための「最短ルート」なのです。
「株式1本」の盲点
「オルカンの方がリターンが高いから、多少のリスクは耐えられる」と思うかもしれません。しかし、過去のデータを見ると、株式1本(オルカンなど)はリーマンショックのような暴落時に約60%近いダウンを経験することがあります。
動画内では、オルカンと「全世界投資(アセットアロケーション運用)」を比較すると、暴落後の回復にオルカンが約13年もかかった期間があることを指摘しています。
賢い選択:アセットアロケーション運用
では、どうすれば安心・安全に運用できるのでしょうか? 答えは、株式だけでなく債券やリートなど、異なる動きをする資産を組み合わせる「資産分散」です。
やることは至ってシンプル
理論は高度ですが、実践は驚くほど簡単です。
- 毎月一定額を積み立てる
- 年に1回「リバランス(増えすぎた資産を売り、減ったものを買う)」をする
これだけで、特定の国(アメリカなど)の不調や、急な大暴落から資産を守りつつ、着実に増やすことが可能になります。
まとめ:投資に「面白さ」はいらない
株式1本の投資は、価格が上がっている時は楽しいものです。しかし、それは「賭け」の要素を含んでいます。
老後のため、家族のために「確実に、再現性高く」資産を築きたいのであれば、感情に左右されないアセットアロケーション運用が最も合理的と言えるでしょう。
「面白くない」かもしれませんが、その「退屈さ」こそが、投資における究極の安全策なのです。

