こんにちは!前回の記事では、日程計画(生産スケジュール)が単に製造現場への「生産指示」を出すだけでなく、「購買指示」という、資材調達部門への重要な指示をも生み出すことを解説しました。
今回は、この日程計画が、製造現場の特性や、現代の生産管理システムの中でどのように機能し、資材調達と連携しているのかを、さらに詳しく見ていきましょう。
🔑 日程計画の核心:現場特性と資材の紐づけ
日程計画とは、製品を納期までに完成させるために、個々の工程に作業を割り当てるスケジュールです。この計画の複雑さは、工場のレイアウトや生産方式によって大きく異なります。
1. 「ジョブショップ」における複雑性
例えば、ジョブショップ(工程別レイアウト、多品種少量生産の工場)では、製品の種類によって通る工程の順序や使用する設備がバラバラです。
- ジョブショップでは、多くの製品が複数の工程を複雑に行き来するため、一つの製品の遅延が、後続の製品のスケジュール全体に影響を与えやすいです。
- この複雑な工程の割り当てを最適化し、正確な生産指示を出すのが日程計画の主要な役割です。
2. 資材調達との一体化が必須
しかし、計画がどんなに緻密でも、必要な資材が工程の開始時に手元になければ、絵に描いた餅です。
- 日程計画が「いつ工程Xを開始する」と決定したら、その開始時点までに、必要な資材調達が完了していなければなりません。
- そのため、日程計画は必ず、使用する部品表(BOM)と在庫情報を照合し、不足する資材について「いつまでに、何を、どれだけ」発注すべきかという購買指示をアウトプットする必要があるのです。
日程計画は、現場の工程に「Goサイン」を出す機能と、資材調達に「発注サイン」を出す機能がセットになっているのです。
🖥️ 生産管理システムが担う連携機能
現代の製造業では、この複雑な日程計画と資材調達の連携を生産管理システム(ERPやスケジューラ)が担っています。
- 生産管理システムは、すべての工程の能力や負荷、資材の在庫情報、そして最終製品の納期情報を取り込みます。
- このシステムが日程計画を策定すると、自動的に「いつまでにどの工程で作業すべきか」という生産指示と、「いつ資材調達を発注すべきか」という購買指示が、それぞれの部門に発信されます。
特に、ジョブショップのように複雑で変更が多い環境では、人間の手作業では日程計画と資材調達の連携ミスが多発しやすいため、生産管理システムによる統合的な管理が不可欠です。
✅ まとめ
日程計画は、
- 複雑な工程を持つジョブショップのような現場でも、最適な生産指示を生み出す。
- 同時に、工程の開始時期に合わせて必要な資材調達を間に合わせるための購買指示を生み出す。
この二つのアウトプットを統合することで、日程計画は、製造から資材調達までサプライチェーン全体を最適に動かす、生産管理システムの要となるのです。

