第3石油類は、消防法で定められた危険物第4類に分類される引火性液体の一つです。私たちの生活や産業で重要な役割を果たしていますが、その取り扱いには注意が必要です。
今回は、第3石油類の定義や分類、そして代表的な物質である重油、クレオソート油、アニリン、グリセリンの個別の性質と危険性について解説します。
第3石油類とは?定義と分類の基礎
定義:引火点に注目
第3石油類は、引火点が70℃以上200℃未満の液体として定義されています。引火点が比較的高いことから、常温での引火の危険性は低いですが、加熱されると引火しやすくなるため、取り扱いや貯蔵には十分な注意が必要です。
水溶性・非水溶性による分類
第3石油類には、**水に溶ける性質(水溶性)**のものと、**水に溶けない性質(非水溶性)**のものがあり、消火方法にも関わってくる重要な分類です。
| 分類 | 代表例 |
| 非水溶性 | 重油、クレオソート油、アニリン |
| 水溶性 | グリセリン |
個別の物質の性質:主役から特殊な物質まで
A. 重油(非水溶性):第3石油類の「主役」
重油は「第3石油類の主役と言ってもいい物質」であり、ボイラーの燃料などとして幅広く使用されています。
| 特徴 | 詳細 |
| 組成 | 原油を蒸留した残油を軽油と混ぜたもの。 |
| 分類 | 粘度により、A重油、B重油、C重油の3種類に分類されます。 |
| 性状 | 褐色から暗褐色の液体で、特有の周期(におい)があります。 |
| 比重の特殊性 | 比重は1より小さく、第3石油類の中で唯一比重が1より小さい物質です。 |
| 消化の困難性 | 燃焼温度が高く、一度燃え出すと液温が高いために消化が困難です。 |
| 燃焼生成物 | 燃焼により、有毒な亜硫酸ガスを発生します(不純物として硫黄を含むため)。 |
| 引火のしやすさ | 霧状では、引火点以下でも引火することがあるため注意が必要です。 |
B. クレオソート油(非水溶性):木材防腐剤としても使用
クレオソート油は、コールタールを蒸留して得られる液体です。
- 性状: 黄色暗緑色で特有の周期(におい)があります。
- 溶解性: 非水溶性ですが、有機溶剤には溶けます。
- 危険性: 人体にとって有害な物質であり、重油と同様に燃焼温度が高く消化が困難です。
C. アニリン(非水溶性):水より少し重い有機化合物
染料や合成樹脂の原料としても使われるアニリン。
- 性状: 無色から単黄色の液体で**得意集(生臭いにおい)**があります。
- 比重: 水より少し重く、比重は1.01です。
- 化学的性質: **塩基性(アルカリ性)**で、酸と反応する性質を持ちます。
D. グリセリン(水溶性):特殊な性質を持つ水溶性液体
グリセリンは、第3石油類の中で唯一の水溶性物質であり、いくつかの点で特殊な性質を持ちます。保湿剤などにも利用されています。
| 特徴 | 詳細 |
| 性状 | 無色で無臭、粘り気がある液体です。危険物の中で無臭なのは珍しい点です。 |
| 溶解性/吸湿性 | 水溶性で水と馴染みが良く、吸湿性があるため水分を吸収しやすい性質があります。 |
| 引火の危険性 | 引火点・沸点が高いため、引火の危険性は低いです。 |
| 比重 | 比重が第4類危険物の中で最も大きく、特殊引火物である二硫化炭素と同じ値です。 |
まとめ
第3石油類は、引火点が高いとはいえ、加熱や霧状になることで引火の危険性が高まります。特に、重油のように燃焼温度が高く消化が困難なものや、グリセリンのように水溶性で特殊な性質を持つものもあります。
これらの危険物の性質を正しく理解し、適切な取り扱いと貯蔵を行うことが、事故を防ぐ上で非常に重要です。

