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商品の輸入の際は、その商品の関税率がいくつなのかで価格が変わってきます。
だからその税率を調べようとしたとき、「関税率表」を参照することになります。
ちなみにこんなものです。リンク→ http://www.customs.go.jp/tariff/index.htm
しかし、実際に見てみるとその膨大な量に戸惑うのではないでしょうか。
この表の見方には一定のルールがあります。
今回は正しいルールを知ることで、正確な商品の分類ができることを目指します。
- <条件別>分類ルールを確認しよう
- <品目別>分類ルールを確認しよう
- 第1部 動物(生きているものに限る。)及び動物性生産品
- 第2部 植物性生産品
- 第3部 動物性又は植物性の油脂及びその分解生産物、調製食用脂並びに動物性又は植物性のろう
- 第4部 調製食料品、飲料、アルコール、食酢、たばこ及び製造たばこ代用品
- 第5部 鉱物性生産品
- 第6部 化学工業(類似の工業を含む。)の生産品
- 第7部 プラスチック及びゴム並びにこれらの製品
- 第8部 皮革及び毛皮並びにこれらの製品、動物用装着具並びに旅行用具、ハンドバッグその他これらに類する容器並びに腸の製品
- 第9部 木材及びその製品、木炭、コルク及びその製品並びにわら、エスパルトその他の組物材料の製品並びにかご細工物及び枝条細工物
- 第10部 木材パルプ、繊維素繊維を原料とするその他のパルプ、古紙並びに紙及び板紙並びにこれらの製品
- 第11部 紡織用繊維及びその製品
- 第12部 履物、帽子、傘、つえ、シートステッキ及びむち並びにこれらの部分品、調製羽毛、羽毛製品、造花並びに人髪製品
- 第13部 石、プラスター、セメント、石綿、雲母その他これらに類する材料の製品、陶磁製品並びにガラス及びその製品
- 第14部 天然又は養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金属及び貴金属を張つた金属並びにこれらの製品、身辺用模造細貨類並びに貨幣
- 第15部 卑金属及びその製品
- 第16部 機械類及び電気機器並びにこれらの部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこれらの部分品及び附属品
- 第17部 車両、航空機、船舶及び輸送機器関連品
- 第18部 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器、医療用機器、時計及び楽器並びにこれらの部分品及び附属品
- 第19部 武器及び銃砲弾並びにこれらの部分品及び附属品
- 第20部 雑品
- 第21部 美術品、収集品及びこつとう
<条件別>分類ルールを確認しよう
実は昔はこの関税率表がさらに混沌としていました。
貨物の分類には、透明・公正、国際的統一という原則があってしかるべきですが、
昔の関税率表ではこうした原則を守ることが困難でした。
「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約」(HSconvention; international convention on the Harmonized commodity description and coding System、※リンク①)が発行されたことで、商品の分類はこの問題を乗り越えることができたのです。
関税率表の見方のルールは「関税率表の解釈に関する通則」(輸入統計品目表の解釈に関する通則、※リンク②)を使用します。
通則は全部で6つあり、所属の決定は通則を1から順番に見ていき、適用していきます。
※リンク①→ https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S63-0001_1.pdf
※リンク②→ http://www.customs.go.jp/tariff/2017_1/data/tuusoku.pdf
ルール1:関税率表の構成(通則1及び6)
関税率表は、部→類→節→項→号とそれぞれの注で構成されています。
しかし、部~節の表題はあくまで参考、便宜的に設けただけで、
項~号の表題、そして、部~号の注の規定が必要な部分になります。
これを使って物品の所属を決定していきます。
まずは項の所属を決めて、その次に号の所属を決定しましょう。
ルール2:未完成品と混合結合品の所属(通則2)
例えば、弦のないバイオリン、分解してあるテーブル、
はたしてこれらはバイオリンやテーブルとして扱ってもいいのでしょうか。
こうしたものは完成品のバイオリン、テーブルとしてよいことになっています。
未完成品でも完成した物品として重要な特性があれば完成品とみなします。
またオマケのようについているものも、本体に含むものとしてよいのです。
ルール3:二以上の材料又は物品から成る物品の所属(通則3)
ピッタリな分類があればそれが一番楽なのですが、そうでない場合もあります。
例えば、乗用車用絨毯。
関税率表情では、乗用車の付属品とみるか、絨毯とみるか、迷うところです。
基準としては「もっとも特殊な限定」という視点です。
乗用車の付属品は、ミラー、カーナビ、絨毯と思い浮かぶ。
絨毯は、プラスチック製の絨毯、羽毛の絨毯と思い浮かぶ。
乗用車の付属品→絨毯という順番になりますね。
絨毯のほうが限定的となりますので、絨毯の税率が適用されます。
また、スパゲッティ、チーズ、トマトソースのセットがあった場合は、
それぞれで分けて考えるか、まとめて考えるかとの選択になります。
この基準は「重要な特性」です。スパゲッティの税率を適用します。
この例の場合は、パスタをつくるためのセットなのでスパゲッティが重要な特性ですね。
ただし、セットにできない注がある場合もあります。
どうしても所属が決定できないという場合は、数字上の配列で最後となる項に分類しましょう。
綿50%、ポリエステル50%のTシャツの場合は、その他のTシャツと扱うことになります。
ルール4:類似による所属(通則4)
通則1、2、3で所属を決定できない物品は、その物品に最も類似する物品が属する項や号に分類します。
ルール5:容器と包装の所属(通則5)
容器や包装はその物品に含まれるものとして考えます。
ギターのケースはギターに含まれます。
ただし、ここで重要なのが容器や包装の意味合いです。
例えば純金のギターケースは純金が「重要な特性」であるため、純金の税率が適用されます。
また、包装はその場限りで消費されるものですが、
仮に繰返し利用できるなら当該商品に含めることはできません。
<品目別>分類ルールを確認しよう
第1部 動物(生きているものに限る。)及び動物性生産品
第1類 動物(生きているものに限る。)
第2類 肉及び食用のくず肉
第3類 魚並びに甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物
第4類 酪農品、鳥卵、天然はちみつ及び他の類に該当しない食用の動物性生産品
第5類 動物性生産品(他の類に該当するものを除く。)
第2部 植物性生産品
第6類 生きている樹木その他の植物及びりん茎、根その他これらに類する物品並びに切花及び装飾用の葉
第7類 食用の野菜、根及び塊茎
第8類 食用の果実及びナット、かんきつ類の果皮並びにメロンの皮
第9類 コーヒー、茶、マテ及び香辛料
第10類 穀物
第11類 穀粉、加工穀物、麦芽、でん粉、イヌリン及び小麦グルテン
第12類 採油用の種及び果実、各種の種及び果実、工業用又は医薬用の植物並びにわら及び飼料用植物
第13類 ラック並びにガム、樹脂その他の植物性の液汁及びエキス
第14類 植物性の組物材料及び他の類に該当しない植物性生産品
第3部 動物性又は植物性の油脂及びその分解生産物、調製食用脂並びに動物性又は植物性のろう
第15類 動物性又は植物性の油脂及びその分解生産物、調製食用脂並びに動物性又は植物性のろう
第4部 調製食料品、飲料、アルコール、食酢、たばこ及び製造たばこ代用品
第16類 肉、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物の調製品
第17類 糖類及び砂糖菓子
第18類 ココア及びその調製品
第19類 穀物、穀粉、でん粉又はミルクの調製品及びベーカリー製品
第20類 野菜、果実、ナットその他植物の部分の調製品
第21類 各種の調製食料品
第22類 飲料、アルコール及び食酢
第23類 食品工業において生ずる残留物及びくず並びに調製飼料
第24類 たばこ及び製造たばこ代用品
第5部 鉱物性生産品
第25類 塩、硫黄、土石類、プラスター、石灰及びセメント
第26類 鉱石、スラグ及び灰
第27類 鉱物性燃料及び鉱物油並びにこれらの蒸留物、歴青物質並びに鉱物性ろう
第6部 化学工業(類似の工業を含む。)の生産品
第28類 無機化学品及び貴金属、希土類金属、放射性元素又は同位元素の無機又は有機の化合物
第29類 有機化学品
第30類 医療用品
第31類 肥料
第32類 なめしエキス、染色エキス、タンニン及びその誘導体、染料、顔料その他の着色料、ペイント、ワニス、パテその他のマスチック並びにインキ
第33類 精油、レジノイド、調製香料及び化粧品類
第34類 せつけん、有機界面活性剤、洗剤、調製潤滑剤、人造ろう、調製ろう、磨き剤、ろうそくその他これに類する物品、モデリングペースト、歯科用ワックス及びプラスターをもととした歯科用の調製品
第35類 たんぱく系物質、変性でん粉、膠着剤及び酵素
第36類 火薬類、火工品、マッチ、発火性合金及び調製燃料
第37類 写真用又は映画用の材料
第38類 各種の化学工業生産品
第7部 プラスチック及びゴム並びにこれらの製品
第39類 プラスチック及びその製品
第40類 ゴム及びその製品
第8部 皮革及び毛皮並びにこれらの製品、動物用装着具並びに旅行用具、ハンドバッグその他これらに類する容器並びに腸の製品
第41類 原皮(毛皮を除く。)及び革
第42類 革製品及び動物用装着具並びに旅行用具、ハンドバッグその他これらに類する容器並びに腸の製品
第43類 毛皮及び人造毛皮並びにこれらの製品
第9部 木材及びその製品、木炭、コルク及びその製品並びにわら、エスパルトその他の組物材料の製品並びにかご細工物及び枝条細工物
第44類 木材及びその製品並びに木炭
第45類 コルク及びその製品
第46類 わら、エスパルトその他の組物材料の製品並びにかご細工物及び枝条細工物
第10部 木材パルプ、繊維素繊維を原料とするその他のパルプ、古紙並びに紙及び板紙並びにこれらの製品
第47類 木材パルプ、繊維素繊維を原料とするその他のパルプ及び古紙
第48類 紙及び板紙並びに製紙用パルプ、紙又は板紙の製品
第49類 印刷した書籍、新聞、絵画その他の印刷物並びに手書き文書、タイプ文書、設計図及び図案
第11部 紡織用繊維及びその製品
第50類 絹及び絹織物
第51類 羊毛、繊獣毛、粗獣毛及び馬毛の糸並びにこれらの織物
第52類 綿及び綿織物
第53類 その他の植物性紡織用繊維及びその織物並びに紙糸及びその織物
第54類 人造繊維の長繊維並びに人造繊維の織物及びストリップその他これに類する人造繊維製品
第55類 人造繊維の短繊維及びその織物
第56類 ウォッディング、フェルト、不織布及び特殊糸並びにひも、綱及びケーブル並びにこれらの製品
第57類 じゆうたんその他の紡織用繊維の床用敷物
第58類 特殊織物、タフテッド織物類、レース、つづれ織物、トリミング及びししゆう布
第59類 染み込ませ、塗布し、被覆し又は積層した紡織用繊維の織物類及び工業用の紡織用繊維製品
第60類 メリヤス編物及びクロセ編物
第61類 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。)
第62類 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く。)
第63類 紡織用繊維のその他の製品、セット、中古の衣類、紡織用繊維の中古の物品及びぼろ
第12部 履物、帽子、傘、つえ、シートステッキ及びむち並びにこれらの部分品、調製羽毛、羽毛製品、造花並びに人髪製品
第64類 履物及びゲートルその他これに類する物品並びにこれらの部分品
第65類 帽子及びその部分品
第66類 傘、つえ、シートステッキ及びむち並びにこれらの部分品
第67類 調製羽毛、羽毛製品、造花及び人髪製品
第13部 石、プラスター、セメント、石綿、雲母その他これらに類する材料の製品、陶磁製品並びにガラス及びその製品
第68類 石、プラスター、セメント、石綿、雲母その他これらに類する材料の製品
第69類 陶磁製品
第70類 ガラス及びその製品
第14部 天然又は養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金属及び貴金属を張つた金属並びにこれらの製品、身辺用模造細貨類並びに貨幣
第71類 天然又は養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金属及び貴金属を張つた金属並びにこれらの製品、身辺用模造細貨類並びに貨幣
第15部 卑金属及びその製品
第72類 鉄鋼
第73類 鉄鋼製品
第74類 銅及びその製品
第75類 ニッケル及びその製品
第76類 アルミニウム及びその製品
第78類 鉛及びその製品
第79類 亜鉛及びその製品
第80類 すず及びその製品
第81類 その他の卑金属及びサーメット並びにこれらの製品
第82類 卑金属製の工具、道具、刃物、スプーン及びフォーク並びにこれらの部分品
第83類 各種の卑金属製品
第16部 機械類及び電気機器並びにこれらの部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこれらの部分品及び附属品
第84類 原子炉、ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品
第85類 電気機器及びその部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこれらの部分品及び附属品
第17部 車両、航空機、船舶及び輸送機器関連品
第86類 鉄道用又は軌道用の機関車及び車両並びにこれらの部分品、鉄道又は軌道の線路用装備品及びその部分品並びに機械式交通信号用機器(電気機械式のものを含む。)
第87類 鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品及び附属品
第88類 航空機及び宇宙飛行体並びにこれらの部分品
第89類 船舶及び浮き構造物
第18部 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器、医療用機器、時計及び楽器並びにこれらの部分品及び附属品
第90類 光学機器、写真用機器、映画用機器、測定機器、検査機器、精密機器及び医療用機器並びにこれらの部分品及び附属品
第91類 時計及びその部分品
第92類 楽器並びにその部分品及び附属品
第19部 武器及び銃砲弾並びにこれらの部分品及び附属品
第93類 武器及び銃砲弾並びにこれらの部分品及び附属品
第20部 雑品
第94類 家具、寝具、マットレス、マットレスサポート、クッションその他これらに類する詰物をした物品並びにランプその他の照明器具(他の類に該当するものを除く。)及びイルミネーションサイン、発光ネームプレートその他これらに類する物品並びにプレハブ建築物
第95類 がん具、遊戯用具及び運動用具並びにこれらの部分品及び附属品
第96類 雑品
第21部 美術品、収集品及びこつとう
第97類 美術品、収集品及びこつとう