貿易 international trade 輸出入手続き import & export procedures

【関税法】ステップ1:監視取締についてまとめてみた!

貿易 international trade
ステップ1監視取締
(第三章)
ステップ2保税
(第四~五章)
ステップ3通関
(第六章)
ステップ4不服申立て
(第八章)
ステップ5関税
(第二章)

貿易は自由に行われるの(自由貿易)が原則ですが、すべてのものが管理なしに輸出入されるわけではありません。経済産業大臣の「許可」「承認」によって必要最小限の管理又は調整が行われて、安全保障や経済に悪い影響を与えないようにしています。今回はこの貿易管理制度について取り上げていこうと思います。

法律をチェック 
外国為替及び外国貿易法 第1条
この法律は、外国為替、外国貿易その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の平和及び安全の維持を期し、もつて国際収支の均衡及び通貨の安定を図るとともに我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

外国為替及び外国貿易法 第47条
貨物の輸出は、この法律の目的に合致する限り、最少限度の制限の下に、許容されるものとする。

船舶及び航空機の入出港手続き

定義

外国貿易船外国貿易のため本邦と外国との間を往来する船舶
外国貿易機外国貿易のため本邦と外国との間を往来する航空機

入港前/出港前の報告

入港前報告
(関税法15条第1項)
出港前報告
(関税法第15条第7~8項/第14項)
対象貨物すべて海上コンテナー貨物
報告義務者外国貿易船の船長
/外国貿易機の機長
外国貿易船の運航者
積荷の荷送者
報告期限外国貿易船
積荷:入港24時間前 旅客/乗員:入港2時間前
外国貿易機
積荷:入港3時間前 旅客/乗員:出港30分後
外国貿易船
出港24時間前
報告事項外国貿易船等の名称・国籍
/外国貿易機の登録番号・国籍
積荷の仕出地・仕向地、荷送人・荷受人の住所・氏名
積荷の記号・番号・品名・数量
船荷証券/複合運送証券/航空貨物輸送証の番号
当該コンテナーの番号
積んでいる貨物の船積港を出港した日時
外国貿易船等の名称・国籍

積荷の仕出地・仕向地、荷送人・荷受人の住所・氏名
積荷の記号・番号・品名・数量
船荷証券/複合運送証券の番号

備考税関長は報告な内容を明確にする必要があると認めるときは、その入港前に当該積荷の荷受人その他所定の者に対し、報告を求めることができ、報告を求められた者は遅滞なく当該報告をしなければならない(関税法第15条の2)。報告を怠った場合は、改めて積荷に関する報告をし、税関長の許可を受けなければならない(関税法第16条第3項)。1年以下の懲役/50万円以下の罰金に処せられることもある(関税法第114条の2第1号)。

入港/出港の手続き

入港手続き
(関税法第15条第3項/第11項)
出港手続き
(関税法17条)
手続義務者→被手続者船長/機長→税関船長等→税関
手続期限外国貿易船:原則入港24時間以内
外国貿易機:直ちに
出港しようとするとき
手続事項入港届の提出
船用品目録の提出
船舶国籍証明書又はこれに代わる書類の提示
出港届の提出

貨物の積卸

外国貿易船/外国貿易機に対する貨物の積卸しは、積荷に関する事項についての報告がない場合には、してはならない(関税法第16条第1項・第3項)。

税関菅署の開庁時間外において外国貿易船/外国貿易機に外国貨物を積卸等するときは、あらかじめその旨を税関長に届け出なければなりません(関税法第19条)。

また、外国貨物をやむを得ない事由によって、本来目的とした陸揚地以外の場所に仮陸揚げする場合には、船長/機長はあらかじめ税関長等に届け出なければなりません(関税法第21条)。

船用品/機用品の積込み

外国貨物である船用品/機用品は、税関長に申告し、その承認を受けて、保税地域から外国貿易船/外国貿易機に積込む場合に限り、外国貨物のまま積み込むことができる。この場合において、税関長は、当該船用品/機用品が取締り上支障がないものである場合には、税関長が指定する期間(最長6ヶ月)内に積み込まれる船用品/機用品の積込みについて、特定の複数の外国船舶/外国航空機に対し、複数の開港において包括的に承認することができる(関税法第23条第1項・関税法施行令第21条の3第3項・関税法基本通達23-1-2)。

内国貨物である船用品/機用品を外国貿易船/外国貿易機に積み込もうとする者は、税関長に申告し、その承認を受けなければならない(関税法第23条第2項本文)。

積込みの期間の指定後災害その他やむを得ない理由により必要があると認めるときは、税関長は、その指定した期間を延長することができる(関税法第23条第4項後段・関税法基本通達23-5)。

承認に係る船用品/機用品の積込みを終えたときは、直ちにその事実を証する書類を税関に提出しなければならない。ただし、一括して承認を受けた場合においては、当該承認に係る期間を当該承認をした税関長が区分して指定した期間ごとに、当該期間内に積み込まれた船用品/機用品に係る当該事実を証する書類を一括して提出することができる(関税法第23条第5項・関税法施行令第21条の5第2項)。

船用品/機用品が指定された期間内に当該承認に係る船舶/航空機に積み込まれなかつたときは、当該承認を受けた者から、直ちにその関税を徴収する。ただし、当該船用品又は機用品が保税地域に入れられた場合、災害その他やむを得ない理由により亡失した場合又はあらかじめ税関長の承認を受けて滅却された場合は、この限りでない(関税法第23条第6項)。

許可

経済産業大臣の「許可」は国際的な平和及び安全の維持のために行われます(外為法48条第1~2項)。

この「許可」は輸入には規定がありません。各国がその専権事項において輸出を管理することで安全保障をしていこうという制度になります。

輸出許可が必要な貨物や地域

リスト規制品キャッチオール規制品
グループA適用除外
グループB/C適用適用
グループD適用適用

輸出許可が必要な貨物
リスト規制品・・・大量破壊兵器及び通常破壊兵器関連汎用品(輸出貿易管理令別表1第1-15項)。
キャッチオール規制品目・・・ほとんどの鉱工業品(輸出貿易管理令別表1第16項)。

輸出許可が必要な地域
グループA・・・いわゆる旧ホワイト国。英国、アメリカ合衆国等(別表第3)。
グループB・・・輸出管理レジームに参加し、一 定要件を満たす国・地域。韓国等。
グループC・・・グループABDのいずれにも該当しない国・地域。中国等。
グループD・・・いわゆる懸念国。北朝鮮等(別表第三の二、別表第四)。

輸出許可手続き

リスト規制品キャッチオール規制品
グループA適用(一般包括許可)除外
グループB/C適用(特別一般包括許可)適用
グループD適用(個別許可)適用

①経済産業大臣へ輸出許可申請書及び添付書類の提出(輸出貿易管理規則1条1~2項)
②申請者に輸出許可証の交付(同規則1条5項)
※有効期間は6か月(輸出貿易管理令8条1項)
③輸出申告

一般包括許可取得した企業は、個別許可の取得が不要となる。取得にあたって、輸出管理内部規定の整備は不要。
特別一般包括許可取得した企業は、個別許可の取得が不要となる。取得にあたって、輸出管理内部規定の整備等が要件。
個別許可

承認

経済産業大臣の「承認」は次の目的のために行われます(外為法48条第3項/52条)。

輸出(外為法第48条3項)輸入(外為法第52条)
国際収支の均衡の維持のため
外国貿易及び国民経済の健全な発展
のため
外国貿易及び国民経済の健全な発展
を図るため
我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため
国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため
第10条第1項の閣議決定を実施するため第10条第1項の閣議決定を実施するため

輸出承認

輸出承認が必要な貨物

輸出承認が必要な貨物①(輸出貿易管理令第2条1項1/輸出貿易管理令別表2)

貨物番号輸出承認品目名
1ダイヤモンド原石
19血液製剤(安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律第2条第1項)
(原則輸出禁止)
20核燃料物質、核原料物質
21放射性廃棄物
21の2放射性同位元素
21の3麻薬、向精神薬原材料等
25漁船
30しいたけ種菌(原則輸出禁止)
33うなぎの稚魚
34冷凍のあさり、はまぐり及びいがい(アメリカ合衆国)
35オゾン層を破壊する物質
35の2(1)特定有害廃棄物(南緯60度の線以北の公海を除く。)
35の2(2)廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する廃棄物
(南緯60度の線以北の公海を除く。)
35の3有害化学物質(ロッテルダム条約、ストックホルム条約関連)
35の4水銀、水銀使用製品(水俣条約関係)
36ワシントン条約対象貨物
37希少野生動植物の個体・卵・器官
38かすみ網
39偽造、変造通貨等
40反乱せん動書籍等
41風俗を害する書籍等
43国宝、重要文化財等
44仕向国における特許権等を侵害すべき貨物(原産地を誤認させるべき貨物)
45関税法第69条の12第1項に規定する認定手続が執られた貨物
(育成者権侵害貨物、その他の権利侵害貨物)

輸出認定が必要な貨物②:北朝鮮を仕向地として輸出される貨物(輸出貿易管理令第2条1項1の2/輸出貿易管理令別表2)
冷凍牛肉など
※現在本邦では、北朝鮮に対して全面輸出禁止措置が採られている。

輸出認定が必要な貨物③:委託加工品契約による指定加工用原材料(輸出貿易管理令第2条1項2)
皮革及び皮革製品の半製品
※100万円以下は承認が要らない。

輸入承認

輸入承認を受ける義務規定

有効期間:原則6か月(輸入貿易管理令5条)
罰則:1年以内の輸入禁止

輸入承認の必要な貨物

①輸入割当 (数量規制)
輸入される貨物の数量(又は金額)を国内の需要等に基づき、輸入者等に割当てをする制度です。

ア 非自由化品目(にしん、帆立貝、貝柱、食用海苔などの水産物)
イ モントリオール議定書に規定されている規制品目(特定フロンなど)

②2号承認(特定地域規制)
特定の原産地又は船積地域に係る輸入について承認を必要とする制度です。

(1)2号承認が必要な貨物
ア 原産地又は積地が中華人民共和国、北朝鮮及び台湾である鮭及び鱒並びにこれらの調製品
イ 積地が本邦の区域を属さない海面である魚、甲殻類、海草及びこれらの調製品
ウ 1990(平成2年)8月6日以降にイラクにおいて不法に取得された文化財
エ 原産地又は積地が北朝鮮である全貨物
オ その他

(2)条約その他法令に定める貨物(輸入公表2号)
ア ワシントン条約非加盟国を原産地又は積地とするワシントン条約付属書Ⅰ及びⅡに掲げる特定の動植物及びその派生品
イ モントリオール議定書に定める規制物品
ウ 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律に定める第一種指定物質
エ 水銀に関する水俣条約に定める水銀
オ その他

④2の2号承認(全地域規制)
原産地又は船積地域にかかわらず特定の貨物について承認を要する制度です。

武器類
火薬類
原子力関連貨物
口蹄疫ワクチン
第1種特定化学物質使用製品
化学兵器禁止法関連物質
特定有害廃棄物(バーゼル法に該当している貨物)
廃棄物(廃掃法に該当している貨物)
ワシントン条約関連
水銀に関する水俣条約関連

輸入割当て
輸入割当て(IQ;Import Quota)
経済産業大臣による輸入の数量(又は価格)による制限(輸入貿易管理令9条2項)
輸入割当証明書(有効期間原則4ヶ月)の交付→輸入承認申請

輸入割当ての例外:特別扱貨物(輸入貿易管理令14条)
①輸入貿易管理令別表1に該当する貨物
②輸入貿易管理令別表2上覧に掲げる者が本邦へ入国する際、同表下欄に掲げる貨物を本人が携帯し、又は、税関に申告の上別送して輸入しようとする場合
③貨物を仮に陸揚げしようとするとき

輸入承認の例外
委託加工貿易による加工製品(輸入貿易管理令4条3項)
輸出取止め

事前確認と通関時確認

※本来は輸入承認が必要だが、実務上の手続き簡素化を図る目的で導入されている。

①経済産業大臣等の事前確認貨物

特定の貨物を輸入する場合に、事前に経済産業大臣等の確認を受けることにより承認が不要となる制度です。

まぐろ類(水産庁HP)外部リンク
めろ
かに
ワシントン条約対象貨物
希少野生動植物の個体等
オゾン層破壊物質
文化財

②税関での通関時確認貨物

特定の貨物を輸入する場合に、輸入通関時に定められた書類を税関に提出することにより承認が不要となる制度です。

まぐろ類
かに
鯨及びその調製品
ワシントン条約対象貨物
希少野生動植物の個体等
放射性同位元素
ダイヤモンド原石
農薬
けしの実、大麻の実

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