金融 finance

【一般】正しくお金を管理するスキルを身に着ける/ステップ1:ファイナンシャルプラン

金融 finance

【一般】ステップ1:ファイナンシャルプランニング

固定消費固定投資変動消費変動投資
ステップ1
ファイナンシャルプランニング
税金保険貯蓄運用生活/遊行事業教育
ステップ2
戦略選定
税金/保険貯蓄/運用生活/遊行事業/教育
ステップ3
商品選定
税金/保険貯蓄/運用生活/遊行事業/教育
ステップ4
購入方法選定
税金/保険貯蓄運用生活遊行事業/教育

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会計とは、お金の出入りを記録することをいいます。主に企業を対象として行われるものですので自身が経営をする場合にはもちろんですが、「必要な時に必要な金額を用意する」というファイナンシャルプランニングの目的のためには、まずは今の財務状況を確認すること(財務会計)、そして出入りを管理すること(管理会計)は必要不可欠ですので、会計の考え方や手法を学んでいきましょう。

〈工程別〉記帳の方法

会計は、取引から始まり財務諸表を作るまでの工程があります。図表のように、期中整理では、日次から月次の取引について証憑を元に仕訳帳または伝票に仕訳し、それを総勘定元帳に転記した後に残高試算表に集計します。決算整理では、年次の取引について同様に処理し、最終的に財務諸表に編集し、帳簿は締め切ります。

図表:会計の工程

企業では会計期間ごとの儲けや貸借の状況をまとめる決算という手続きを決算日を設けて行わなければならず、表1の手順で進め(本支店会計の場合は、各本支店で②決算整理まで進め、合算や相殺削除を行ってから本支店合併財務諸表を作成します)、②の決算整理をする項目は表2のものがあります。

表1:決算の手順

  1. 試算表の作成
  2. 決算整理
  3. 精算表の作成
  4. 財務諸表の作成
  5. 帳簿の締切

表2:日商簿記2級までで出題される決算処理項目

  • 現金過不足の整理
  • 当座貸越の振り替え
  • 貯蔵品の振り替え
  • 当座預金残高の修正
  • 売上原価の算定
  • 有価証券の振替え
  • 引当金の設定
  • 有形固定資産の減価償却
  • 無形固定資産の償却
  • ソフトフェアの償却
  • 費用・収益の未払い・前払いと未収・前受け処理

上記の工程は誘導法を基本としていますが、決算では棚卸法も用いています。

財務諸表への編集

財務諸表のもとになる考え方には、静態論動態論があります。図表2のように、それぞれ資産負債アプローチ収益費用アプローチに対応しており、保護をしようとする対象によって、アプローチ、資産・負債の認識、利益計算、クリーンサープラス関係(資本取引を除いた場合に純資産増減額と等しくなる関係)に違いが出ることが分かります。

図表2:静態論と動態論

貸借対照表

貸借対照表(B/S;Balance Sheet)は、決算日時点の財政状態を記載した財務諸表です。借方と貸方を分けたて横に並べた勘定式と分けずに縦に並べた報告式の二つどちらかの形式で記載され、「資産の部」(流動、固定、繰延)「負債の部」(流動、固定)「純資産の部」(株主資本、評価換算差額等)の3つが記載される構造になっており、自己資本比率流動比率などの計算ができます。

自己資本比率は、総資本に対する自己資本(純資産)の割合を表す指標(自己資本/総資本=自己資本比率)です。会社の資本調達の方法には表2のように、経営権を譲渡する出資(元手)や自身の事業の儲け(利益)により資金調達をした自己資本と、利息をつけて返済する融資により資金調達した他人資本があり(この自己資本と他人資本の2つをまとめて総資本と言ったりもしますがともあれ)、自己資本比率が高いほど、自己資本(純資産)が厚い運営といえ、投資や事業へ返済の必要がない自由に使えるお金が多いことから、外部からの評価を得やすくなりますので、純資産(自己資本)については貸借対照表だけでなくさらに詳しくその変動を表す株主資本等変動計算書が作られるのです。

表2:資産調達の方法

1年以内→「流動」/1年越え→「固定」
流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

損益計算書

損益計算書(P/L;Profit and Loss statement)は、収益から費用を差し引いた「利益」を計算した財務諸表であり、借方と貸方を分けたて横に並べた勘定式と、分けずに縦に並べた報告式の二つどちらかの形式で記載、「売上高」「売上原価」「販売費および一般管理費」「営業外収益」「営業外費用」「特別利益」「特別損失」の7つで構成されており、計算する項目は表1の5つがある。

表1:損益計算書の計算項目

  1. 売上総利益=売上高-売上原価
  2. 営業利益=売上総利益-販売費および一般管理費
  3. 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
  4. 税引前当期利益= 経常利益+特別利益-特別損失
  5. 当期利益(純利益)= 税引前当期利益-(法人税+法人住民税+法人事業税)

株主資本等変動計算書

株主資本等変動計算書(S/S;Statements of Shareholder’s equity)は貸借対照表のうち純資産の変動を表す財務諸表であり、貸借対照表の純資産の部について項目毎に当期首残高、当期変動額、当期末残高の3つが記載されます。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は貸借対照表のうち現金預金の変動を表す財務諸表であり、「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つに区分しています。

残高集計表への集計

清算表は、残高試算表、決算整理、貸借対照表、損益計算書をひとつにまとめた表で、形式は行には勘定科目、列には上記の4つの表でそれぞれ借方と貸方が配置されます。

総勘定元帳への転記

仕訳帳への仕訳

購入

売買記帳処理方法には、表1のように三分法売上原価対立法分記法総記法と4種類あります。売上高の把握が必要な商品売買では三分法や売上原価対立法、そうではないことが多い有価証券や固定資産の売買では分記法や総記法が使われることが多く、また原価や単価が分かりづらいものは決算時に算定する三分法や総記法、分かりやすいものは売上原価対立法や分記法が用いられやすいようです。

表1:売買記帳処理方法

ところで、代金の支払い方法については表2のような方法があります。

表2:決済方法

  • 現金
  • 普通預金・当座預金・別段預金
  • 売掛金・買掛金
  • クレジット売掛金・クレジット買掛金
  • 受取手形・支払手形
  • 営業外受取手形・営業外支払手形
  • 電子記録債権・電子記録債務
  • 前渡金・前受金

決済手段の主流はやはり預金、とりわけ預金金額全部が保護され、小切手の振出もできる当座預金が多くみられます。取引頻度が多いからこそ、自社の帳簿と銀行残高証明書の残高が合わないときもあることから、不一致の原因を特定して表3のように銀行勘定調整表を用いて管理します。

表3:預金残高の管理(銀行勘定調整表)

修正仕訳
時間外預入仕訳なし
未取立小切手仕訳なし
未取付小切手仕訳なし
連絡未通知(当座預金)10/(売掛金)10
誤記入(売掛金)5/(当座預金)5
未渡小切手(当座預金)10/(未払金)10

クレジット払いとは、信販会社を通して行う決済のことです。クレジットカードが代表ですが、PayPayなどのキャッシュレス決済全般も含み、販売側は通常の掛け払いと違い確実に回収できるなどメリットがある反面、信販会社への手数料が発生するデメリットがあることから、表5のように記帳では支払手数料勘定[費用]を計上します。

表5:クレジット払いの処理

仕入売上
引渡時(仕入)100/(クレジット買掛金)100(クレジット売掛金)98
    (支払手数料)2/(売上)100
支払時(クレジット買掛金)100/(当座預金)100(当座預金)98/(クレジット売掛金)98

商品以外のものの手形購入と売却

購入売却
引渡時(建物)100/(営業外支払手形)100(営業外受取手形)100/(建物)100
支払時(営業外支払手形)100/(現金)100(現金)100/(営業外受取手形)100

ところで債権譲渡という、債権を第三者に譲渡することもできます。表5のように処理しますが、特に手形の場合は早期に資金回収ができる裏書譲渡や銀行に譲渡するなら割引きといいます。

表5:債権譲渡

当事者間でも変動が起こることもあります。例えば表6のように売掛金を電子記録債権や受取手形にしたり、相殺したり、期日変更のために新しい手形を発行する更改したりする場合があります。

表6:当事者間での債権変動

手形の支払期日に遅れる不渡りが起きたときは表7のように処理します。不渡りに関する費用は、手形の発行者に請求できるので、不渡り手形の金額には手形代金の他に不渡りに関する諸費用も含めます。

表7:不渡手形の処理

不渡時(不渡手形)110/(受取手形)100
         (現金)10
回収時(現金)110/(不渡手形)110

本支店会計・本社工場会計

支店や工場が設置してある場合の会計制度をそれぞれ、本店支店会計本社工場会計といいます。本店支店会計本店勘定支店勘定本社工場会計では本社勘定工場勘定を用いて処理しますが、本店勘定と支店勘定本社勘定と工場勘定は貸借で残高が一致する照合勘定です。

本店と支店がある場合の会計制度である本支店会計の処理は、本店だけに帳簿をおいて本店が一括処理する本店集中会計制度と、支店にも帳簿をおいて支店のものは支店が処理する支店独立会計制度がありますが、支店独立会計制度についてみいていきます。

現金の送付

例えば本店から支店に現金の送るときは次のように処理します。

本店側現金)を(支店)に処理する。
例)(支店)100/(現金)100
支店側本店)を(現金)に処理する。
例)(現金)100/(本店)100

本店の買掛金を支店が支払ったときは次のように処理します。

本店側買掛金)を(支店)に処理する。
例)(支店)100/(買掛金)100
支店側本店)を(現金)に処理する。
例)(現金)100/(本店)100

本店が支店に商品を送ったときは次のように処理します。

本店側仕入)を(支店)に処理する。
例)(支店)100/(買掛金)100
支店側本店)を(仕入)に処理する。
例)(現金)100/(本店)100

支店が本店に営業費を現金で支払ったときは次のように処理します。

本店側支店)を(営業費)に処理する。
例)(営業費)100/(支店)100
支店側現金)を(本店)に処理する。
例)(本店)100/(現金)100

本社会計の独立とは、製造に関する勘定のみを工場の帳簿に移して工場でこれらの勘定に関する取引を記入することです。ただし、経費勘定や製品勘定は本社に設置することもあるので注意が必要です。工場が直接取引をした場合も、本社を通して行ったものとします。

本社が材料を購入し、工場に送った時の仕訳

本社:(工場)100/(買掛金)100
工場:(材料)100/(本社)100

工場で材料を消費した時の仕訳

本社:仕訳なし
工場:(仕掛品)60
   (製造間接費)40/(材料)100

工場で製品が完成し、本社に納入した時の仕訳

本社:(製品)80/(工場)80
工場:(本社)80/(仕掛品)80

本社が製品を売り上げたときの仕訳

本社:(売掛金)120/(売上)120
   (売上原価)80/(製品)80
工場:仕訳なし

売却

別途帳簿をつけている場合には、払出単価からも売上原価を算出できます。同じ商品でも買付けた時期や場所が違えば単価が変わることがあるため、払出単価という、どの仕入単価で払い出すのかを表3のような方法から選択し、払出単価に払出数量を乗じたものの合計が売上原価になります。

表3:払出単価の決定

  • 先入先出法・・・先に仕入れたものから先に売り上げる。
  • 平均法
    • 移動平均法・・・仕入れた都度で平均単価を求める。
    • 総平均法・・・一定期間における平均単価を求める。

外貨換算会計

外貨換算会計は、外貨建取引の外国通貨表示額を自国通貨(円)表示に変更する会計処理のことで、表1のように外国通貨表示額に為替相場を乗じて求め、また為替相場には発生時為替相場(HR;Historical Rate)決算時相場(CR;Current Rate)があり、表1のようにすべての項目で発生時に発生時為替相場、貨幣項目についてはさらに決算時にも決算時相場で自国通貨に換算替えの処理をします。

表1:自国通貨換算

自国通貨表示額[円他]
=外国通貨表示額[ドル他]×為替相場[ドル他/円他]

50ドルを1ドル120円のときに換算すると50ドル×120円/ドル=6,000円となります

表2:為替予約を付していない場合の仕訳け

前払金の支払い自国通貨表示額で(現金)等を(前払金)に処理します。
$表示例)(前払金)10/(現金)10
¥表示例)(前払金)800/(現金)800 ※1ドル=80円
取引時自国通貨表示額で(前払金)と(買掛金)等を(仕入)等に処理します。
$表示例)(仕入)100/(前払金)10
            (買掛金)90 
¥表示例)(仕入)10,000/(前払金)800
              (買掛金)9,200 ※1ドル=100円
決済時自国通貨表示額でを(現金)等を(買掛金)等に処理し、差額を(為替差損益)で計上します。
$表示例)(買掛金)90/(現金)90
¥表示例)(買掛金)9,200
     (為替差損益)1,600/(現金)10,800 ※1ドル=120円

為替相場の変動によって生じる不確実性(risk)を回避(hedge)するため、あらかじめ決済時の相場を契約で決めておく為替予約をすることで表3のように処理されるため為替差損益が発生しなくなります。ただし、為替予約を取引発生後に付した場合は、表4のようにその付したときに先物為替相場で換算替えを行います。

表3:為替予約を取引時に付した場合の仕訳け

取引時
為替予約時
自国通貨表示額で(前払金)と(買掛金)等を(仕入)等に処理します。
$表示例)(仕入)100/(買掛金)100 
¥表示例)(仕入)10,000/(買掛金)10,000 ※1ドル=100円
決算時仕訳なし
決済時自国通貨表示額でを(現金)等を(買掛金)等に処理します。
$表示例)(買掛金)100/(現金)100
¥表示例)(買掛金)10,000/(現金)10,000 ※1ドル=120円

表4:為替予約を取引後に付した場合の仕訳け

取引時自国通貨表示額で(前払金)と(買掛金)等を(仕入)等に処理します。
$表示例)(仕入)100/(買掛金)100 
¥表示例)(仕入)10,000/(買掛金)10,000 ※1ドル=100円
為替予約時取引時の買掛金残高とその為替予約時の自国換算額との差額を(為替差損益)で計上します。
$表示例)仕訳なし 
¥表示例)(為替差損益)1,000/(買掛金)1,000 ※1ドル=110円
決済時自国通貨表示額でを(現金)等を(買掛金)等に処理します。
$表示例)(買掛金)100/(現金)100
¥表示例)(買掛金)11,000/(現金)11,000 ※1ドル=120円

連結会計

親会社(P;Parent campany)と子会社(S;Subsidiary company)がある場合の会計制度である連結会計の処理は、主従関係のある二つ以上の企業からなる企業集団の経営成績や財務状態を総合的に報告する連結財務諸表を親会社は作成する必要があるため、親会社と子会社の個別財務諸表をもとに親会社と子会社の取引額等を調整する連結修正仕訳をして作成します。

連結財務諸表には、①連結損益計算書②連結貸借対照表③連結株主資本等変動計算書がありますが、個別財務諸表との特徴的な違いは、①連結損益計算書は売上原価の内訳の非表示と非支配株主に帰属する当時純損益の表示、②連結貸借対照表は資本剰余金と利益剰余金の内訳の非表示と被支配株主持分の表示があげられます。

支配獲得経過日別の連結

経過日ごとの仕訳けについてみていきます。経過日は子会社株式取得支配獲得日支配獲得1年目支配獲得2年目以降と分け、作成する連結財務諸表や連結修正再仕訳の処理の違いを確認してください。

子会社株式関連会社株式の買付時は、表1のように決算時は支配目的で長期的に保有するものなので評価替えは必要なく、また買い付けは結果一般的な処理で構いませんが、現金等で企業ブランドを買い、そのブランドを株式という形で保有する、こののれんというブランド価値を経由する思考があると後に解説する連結会計の理解がスムーズです。

表1:子会社株式・関連会社株式の個別財務諸表上での処理

支配獲得日

ある企業が他の企業に対する支配を獲得した支配獲得日には、①親会社と子会社の貸借対照表を合算する、②投資と資本の相殺削除をする(資本連結)、③連結貸借対照表を作る、と手順を進めます。

このうち②資本連結とは、親会社が子会社の株式を取得した際の会社ごとの仕訳は、連結グループで見ると単にお金が移動しただけと捉え、この取引がなかったことにものとする逆仕訳の連結修正仕訳をすることです。

このとき、部分所有の場合はその非所有割合分は非支配株主持分勘定[純資産]に振替えます。非支配株主持分は、連結子会社の資本のうち、支配会社である連結財務諸表作成会社(親会社)の持分に属しない部分のことで、例えば60%の部分所有の場合、子会社貸借対照表純資産部門の各項目の60%は親会社に帰属する持分、残りの40%が親会社でない株主に帰属する持分であるとして、②資本連結のときには親会社持分と被支配株主持分それぞれで修正仕訳する必要があります。

また、連結修正仕訳の際に投資消去差額が発生する場合はのれん勘定[資産]で処理します。のれんは買収された企業のブランド価値であり、連結会計を進めたときにのれん残高がプラスで残るようだと、子会社には株式以上の価値があったということになります。

<①親会社と子会社の貸借対照表を合算する>

<②資本連結>

<③連結貸借対照表を作る>

支配獲得後1~2年目の連結

支配獲得日後は連結損益計算書、連結貸借対照表、連結株主資本等変動書を作成します。

前期までに行った連結修正仕訳を開始仕訳とし、その後に当期の連結修正仕訳を行い、当期の連結財務諸表を作成しますが、このうち当期の連結修正仕訳では、①のれんの償却、②子会社の当期純損益の振替え、③子会社の配当金の修正、などがあります。

<1年目の開始仕訳>

前期末連結修正仕訳:
資本金)3,000・(利益剰余金)1,000・(のれん)200/(S社株式)2,600・(非支配株主持分)1,600
⇒(資本金当期首残高)3,000・(利益剰余金当期首残高)1,000・(のれん)200/(S社株式)2,600・(非支配株主持分当期首残高)1,600

<1年目の当期の連結修正仕訳>

のれん:
(のれん償却)20/(のれん)20

子会社当期純損益:
非支配株主に帰属する当期純損益)400×40%/(非支配株主持分当期変動額)400×40%
=(非支配株主に帰属する当期純損益)160/(非支配株主持分当期変動額)160

子会社配当金修正:
(受取配当金)180・(非支配株主持分当期変動額)300×40%/(剰余金の配当)300
=(受取配当金)180・(非支配株主持分当期変動額)120/(剰余金の配当)300

2年目の連結において、その前期末までに行った連結修正仕訳を再度行います。

<2年目の連結と開始仕訳>

消去と修正

親会社と子会社の間、もしくは子会社の間の損益取引や債権債務残高を消去する連結修正仕訳を行うことによって、連結財務諸表にグループ外部に対する損益や債権債務だけを計上しますが、相殺消去する勘定科目は表1のようなものがあり、また付随する貸倒引当金と貸倒引当金繰入についても親会社・子会社ともに相殺消去します。

表1:連結会計において相殺消去する勘定科目

内部取引高の相殺消去債権債務の相殺消去
売上高と売上原価買掛金と売掛金
受取利息と支払利息支払手形と受取手形
受取配当金と配当金借入金と貸付金
未払費用と未収収益
前受収益と前払費用

内部取引の相殺消去

連結財務諸表にグループ外部に対する損益や債権債務だけを計上するために、グループ内部に対する損益や債権債務については連結修正仕訳によってその取引きがなかったことにします。

内部取引高親会社が子会社に商品を販売していたとき、グループ内取引にも関わらずグループ内の(売上高)と(売上原価)が増加しているので、連結修正仕訳では(売上原価)を(売上高)に処理し、(売上原価)と(売上高)を減少させることでこの取引きをなかったことにする。
例)(売上高)1,000/(売上原価)1,000
債権債務親会社が子会社に貸付けしていたとき、グループ内取引にも関わらずグループ内の(短期貸付金)と(短期借入金)が増加して、また付随して(支払利息)と(受取利息)が増加しているので、連結修正仕訳では(短期貸付金)と(支払利息)を(短期借入金)と(受取利息)に処理し、(短期貸付金)と(短期借入金)および(支払利息)と(受取利息)を減少させることでこの取引きをなかったことにする。
例)(短期借入金)200/(短期貸付金)200
       (受取利息)20/(支払利息)20

貸倒引当金の調整

債権債務の相殺消去を行った際、債権保有側が貸倒引当金を計上していた場合、債権が消去されても貸倒引当金だけが残ってしまいますので、その貸倒引当金を取り消す仕訳を行う必要があります。

親会社→子会社親会社が子会社に売掛金とその貸倒引当金を計上していたとき、グループ内取引にも関わらずグループ内の(売掛金)と(買掛金)が増加して、また(貸倒引当金)と(貸倒引当金繰入)が増加しているので、連結修正仕訳では(売掛金)と(貸倒引当金)を(買掛金)と(貸倒引当金)に処理し、(売掛金)と(貸倒引当金)および(買掛金)と(貸倒引当金)を減少させることでこの取引きをなかったことにする。
例)(買掛金)1,000/(売掛金)1,000
    (貸倒引当金)50/(貸倒引当金繰入)50
子会社→親会社子会社が親会社に売掛金とその貸倒引当金を計上していたとき、上記と同様の連結修正仕訳を、さらにその(貸倒引当金繰入)金額のうち非支配株主に帰属する部分の連結修正仕訳を行います。
例)(買掛金)1,000/(売掛金)1,000
    (貸倒引当金)50/(貸倒引当金繰入)50
(非支配株主に帰属する当期純利益)20/(非支配株主持分当期変動額)20

未実現利益の消去

親会社と子会社の商品や土地などの非償却性資産の取引については、ほかの得意先に対するものと同様に取得原価に一定の利益を加算して売却し、個別会計上は親会社と子会社は別会社として財務諸表を作成するので期末商品卸高が計上されますが、連結会計上は親会社と子会社は同一グループとして財務諸表を作成するため、期末残高に含まれる利益である未実現利益を消去しなければなりません。

親会社→子会社親会社が子会社に利益を付加して商品を販売していたとき、グループ内取引にも関わらずグループ内の(商品)と(売上原価)が利益の分だけ増加しているので、連結修正仕訳では(売上原価)を(商品)に処理し、(売上原価)と(商品)を減少させることでこの取引きをなかったことにする。
例)(売上原価)100/(商品)100
子会社→親会社子会社が親会社に利益を付加して商品を販売していたとき、上記と同様の連結修正仕訳を、さらにその(売上原価)金額のうち非支配株主に帰属する部分の連結修正仕訳を行います。
例)(売上原価)100/(商品)100
(非支配株主持分当期変動額)40/(非支配株主に帰属する当期純利益)40

帳簿の締め切り

帳簿の締切とは、各勘定の残高を0にする処理のことで、英米式と大陸式の2つの方法があります。

収益・費用の締切り

(損益)勘定を用いて、収益の各勘定の残高は借方、費用の各勘定の残高は貸方に振り替える損益振替で、各勘定における借方と貸方が一致(二重線を引きます)、残高が0になります。

当期純利益の締切り

(損益)勘定を用いて、当期純損失の場合は借方、当期純利益の場合は貸方に振り替える資本振替で、(繰越利益剰余金)における借方と貸方が一致(二重線を引きます)、残高が0になります。

本支店会計の場合は、本店と支店それぞれの当期純損益を本店に設けた総合損益勘定に損益振替します。

<支店>
(損益)150/(本店)150
<本店>
+(損益)1,040/(総合損益)1,040
+(支店)150/(総合損益)150
=(損益)1,040・(支店)150/(総合損益)1,190

また、当期純利益は会社全体の利益から法人税等を引いたものであるので、法人税等を総合損益勘定に振り替える必要があります。

+(損益)1,040・(支店)150/(総合損益)1,190
+(総合損益)500/(法人税等)500
=(損益)1,040・(支店)150/(総合損益)690・(法人税等)500

それで算定された会社全体の当期純損益は繰越利益剰余金勘定に資本振替します。

(総合損益)690/(繰越利益剰余金)690

資産・負債・純資産の締切り

(次期繰越)勘定を用いて、資産の各勘定の残高は借方、負債・純資産の各勘定の残高は貸方に振り替えることで、各勘定における借方と貸方が一致(二重線を引きます)、残高が0になります。締め切った後、(次期繰越)の逆側に(前期繰越)と金額を記入します。

証憑を集める

仕訳をするための記録を取得する方法

〈目的別〉記帳の方法

会計の目的は、財務会計管理会計の大きく二つに分けられます。図表のように、企業の経済活動の内容とその結果を企業の外部の利害関係者に報告するものが財務会計、内部の経営管理者が経営管理に活用するものが管理会計とされます。

図表:会計の目的

財務会計管理会計
対象者外部の利害関係者内部の経営管理者
目的財務状況を報告する経営管理に活用する

会計規則作成のアプローチとして、演繹的アプローチ帰納的アプローチがあります。

図表1:演繹的アプローチと帰納的アプローチ

演繹的アプローチ
(トップダウン・アプローチ)
学問的推定から目的を決定、それを規則に具体化させること。
目的に沿った規則にしやすい反面、事例に沿ぐわないこともある。
帰納的アプローチ
(ボトムアップ・アプローチ)
実務的慣習から事例を抽出、それを規則に抽象化させること。
事例に沿った規則にしやすい反面、目的に沿ぐわないこともある。

財務会計×演繹的アプローチ

財務会計の機能には、図表のように説明責任履行機能利害機能調整機能情報提供機能の三つががあります。外部の利害関係者に報告し、ひいてはそこから資金調達を獲得することが目的なので、その外部の利害関係者の判断に資することが求められます。

図表:財務会計の機能

説明責任履行機能経営者→出資者(株主)
株主から拠出された資本に対する管理・運用の受託責任を明らかにする機能
利害機能調整機能出資者(株主)←→融資者(債権者)
利害関係者間の利害を調整する機能
情報提供機能経営者→出資者(株主)&融資者(債権者)
利害関係者が意思決定をするうえで有益な情報を提供する機能

会計公準とは、財務会計が行われるための基本的前提をいいます。会計原則形成の基礎構造を示す枠組みまたは命題として、図表3のようなギルマンの三公準があります。会計公準は、「構造的公準」と「要請的公準」に大きく分けられています。構造的公準は「企業実体の公準」「継続企業の公準」「貨幣的評価の公準」の3つに分かれており、要請的公準は、「有用性の公準」と「公正性の公準」の2つに分かれます。

図表3:ギルマンの三公準

企業実態の公準「企業」を単位とするを前提とする。
→利害関係者から独立して企業に関するものだけ記録・計算する。
継続企業の公準半永久的に企業が継続することを前提とする。
→企業の将来の事業活動に関するリスクは「継続企業の前提に関する注記」を行わなければならない。
貨幣的評価の公準貨幣額によって行うことを前提とする。
→経営者の手腕など財貨で評価できないものは記録できない。

概念フレームワークとは、現行企業会計の基礎のある前提や概念を体系化したものです。概念フレームワークにおける財務報告の目的は、利害関係者一般ではなく「投資家」に限定して、投資家が企業成果の予測や企業価値の評価をする際に役立つような企業の財務状況の開示、具体的には企業の投資のポジション(ストック)とその成果(フロー)を開示する情報公開であり、利害調整機能や説明責任履行機能は副次的なものとされます。将来の基準設定に指針を提供し、また、海外の基準設定主体とのコミュニケーションを円滑にする役割が期待され、図表のような体系になっています。

図表:概念フレームワークの体系

  • 財務報告の目的
  • 会計情報の質的特性
  • 財務諸表の構成要素
  • 財務諸表における認識と測定

会計情報の質的特性は、投資家の意思決定に有効な情報を提供する意思決定有用性です。意思決定有用性は、図表のように、下位の意思決定との関連性信頼性に支えられ、さらに内部整合性比較可能性がそれらを基礎から支える一般的制約となる特性として位置付けられています。

図表:意思決定有用性の階層構造

財務諸表の構成要素は、貸借対照表では「資産」「負債」「純資産」「株主資本」、損益計算書では「純利益」「収益」「費用」があります。その定義は図表の通りですが、経済的資源から資産と負債が独立に定義され、そこから純資産と包括利益が、従属して定義されていることが、また、純利益が独立して定義されてそこから収益と費用が従属して定義されていることが分かります。

帰納的アプローチ

企業会計原則は、1949年(昭和24年)に、旧大蔵省経済安定本部・企業会計制度対策調査会(現在の金融庁・企業会計審議会)によって作成され、実務的慣習から一般的に公正妥当と認められたところを要約した帰納的アプローチによるもので、法令ではありませんが、監査の基礎となり、法令改廃にあたっても尊重されるものとされるものとして公表されました。

いわば企業会計原則は会計における一般法です。近年では特別法としていわゆる「新会計基準」といわれる多数の会計基準が発表されてきましたが、その「新会計基準」に規定のないものについては企業会計原則を考慮することになります。

企業会計原則は、上位原則として一般原則、下位原則として損益計算原則貸借対照表原則が規定されています。一般原則はさらに図表のように上位の①真実性の原則、下位の②~⑦の原則があり、下位の原則を満たすことによって上位の真実性の原則が満たされ、また、損益計算原則と貸借対照表原則は下に項を設けて解説します。

図表:一般原則の構成

  1. 真実性の原則
  2. 正規の簿記の原則
  3. 資本取引・損益取引区分の原則
  4. 明瞭性の原則
  5. 継続性の原則
  6. 保守主義の原則
  7. 単一性の原則

真実性の原則とは、財務状態と経営成績について真実の報告をしなければいけないという原則です。ここでいう真実は、唯一無二の絶対的真実ではなく相対的真実をいい、図表のように例えば減価償却では、取得原価という記録された事実は1つでも、定額法他会計上の慣習で処理方法が複数あり、その選択は個人的判断で行うことから、結果的に減価償却金額は処理方法によって異なりますが、いずれも真実です。

図表:真実性の原則の総合的表現

記録された事実記録される額はすべて記録された過去の取引額を基礎とする。
会計上の慣習複数の会計処理を認められていても、いずれも真実なものとして扱う。
個人的判断経営者の将来に対する予測という主観的な判断が入り込まざるをえない。

企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。

企業会計原則 一般原則一 

正規の簿記の原則とは、適正な会計処理を行い、正確な会計帳簿を作成することで、棚卸法ではなく、誘導法により会計記録から財務諸表を作るという原則です。正確な会計帳簿の要件としては少なくとも図表の網羅性検証可能性秩序性の3つを満たす必要があります。

図表:正確な会計帳簿の要件

網羅性記録すべき事実をすべて正しく記録すること。
検証可能性記録はすべて客観的に証明可能な証拠書類に基づいていること。
秩序性すべての記録が一定の法則に従って組織的・体系的に秩序正しく行われていること。

企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

企業会計原則 一般原則二 

資本取引・損益取引区分の原則が求められるのは、図表のように、資本取引が自己資本そのものの増加であるのに対し、損益取引きが自己資本の利用による増減で性格の異なるものであるからです。とりわけ資本取引から生じる資本剰余金と損益取引きから生じる利益剰余金は、財務状態および経営性成績の適正に開示する観点から混同をしてはいけません。

図表:資本取引・損益取引きの区別

資本取引・損益取引区分自己資本そのものの増加と、自己資本の利用による増減とを明確に区別すること。
資本剰余金・利益剰余金区分資本取引から生じる資本剰余金と損益取引きから生じる利益剰余金を明確に区別すること。

資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。

企業会計原則 一般原則三

資本剰余金は、資本取引から生じた剰余金であり、利益剰余金は損益取引から生じた剰余金、すなわち利益の留保額であるから、両者が混同されると、企業の財政状態及び経営成績が適正に示されないことになる。従って、例えば、新株発行による株式払込剰余金から新株発行費用を控除することは許されない。

企業会計原則 注解【注2】前段

明瞭性の原則

  • 重要な会計方針の開示
  • 重要な後発事象の開示
  • 区分表示の原則
  • 総額表示の原則
  • 科目設定にあたっての概観性の考慮
  • 重要事項の注記による補足
  • 重要科目への附則明細書の作成

企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。

企業会計原則 一般原則

継続性の原則とは、複数の会計処理や手続きがある場合に、いったん採用したものを毎月採用するという原則です。みだりに変更すると図表のように利益操作排除期間比較性の確保が困難になるためで、変更には外部的要因または内部的要因の正当な理由が必要です。

図表:継続性の原則の必要性

利益操作の排除みだりに会計処理や手続きを変更し利益の操作をしたものは真実なものとは認められません。利益を大きくし利害関係者の印象をよくしたり、逆に悪くして納税額を下げるなどが考えられます。
期間比較性の確保期間ごとに採用する会計処理や手続きが違えば比較ができず、利害関係者の判断が難しくなります。

企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。

企業会計原則 一般原則

企業会計上継続性が問題とされるのは、一つの会計事実について二つ以上の会計処理の原則又は手続の選択適用が認められている場合である。

このような場合に、企業が選択した会計処理の原則及び手続を毎期継続して適用しないときは、同一の会計事実について異なる利益額が算出されることになり、財務諸表の期間比較を困難ならしめ、この結果、企業の財務内容に関する利害関係者の判断を誤らしめることになる。

 従って、いったん採用した会計処理の原則又は手続は、正当な理由により変更を行う場合を除き、財務諸表を作成する各時期を通じて継続して適用しなければならない。

 なお、正当な理由によって、会計処理の原則又は手続に重要な変更を加えたときは、これを当該財務諸表に注記しなければならない。

企業会計原則 注解【注3】

保守主義の原則とは、ある会計処理を行うにあたって、いくつかの判断ができる場合には、予測される将来の危険に備えて慎重な判断に基づく会計処理を行うという原則です。慎重な判断とは、図表のように利益を少なくするものですが、真実性の原則に反しないよう、実態に即して予測される幅の中で最も保守的なものを採用することが促されます。

図表:保守主義の要請

予想収益計上禁止
予想費用総記計上

企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。

企業会計原則 一般原則

企業会計は、予測される将来の危険に備えて慎重な判断に基づく会計処理を行わなければならないが、過度に保守的な会計処理を行うことにより、企業の財政状態及び経営成績の真実な報告をゆがめてはならない。

企業会計原則 注解【注4】

単一性の原則とは、実質一元・形式多元とする原則です。財務会計、管理会計、税務会計、と目的ごとに形式を変えることはあっても、元とする会計記録は一つでなければいけません。

株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。

企業会計原則 一般原則

重要性の原則とは、重要性の乏しいものは簡便な処理または表示をするという原則です。重要性の判断としては金額の量的重要性と、科目の質的重要性がありますが、計算の経済的な判断から認められているものです。

 企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。

企業会計原則 注解【注1】前段

純資産

純資産(英: net worth)は、簿記における勘定科目の区分の一つで、会社の資産総額から負債総額を差し引いた金額を指しますが、自己資本(英: ownership equity)という経営権を譲渡する出資(元手)や自身の事業の儲け(利益)により資金調達をしたものと捉えることもできて、表1のような分類がされます。

表1:純資産(自己資本)の分類

株主資本

株主資本とは、既に実現している元手または利益のうち、親会社(従属関係のない会社の場合は自社全体)に帰属する純資産で、表1のように他の純資産の分類に当てはまらないものです。株主からの出資(資本金資本剰余金)と会社がこれまで稼いだ利益の累計額の合計(利益剰余金)から会社が保有する自己株式を差し引いた金額(資本金+資本剰余金+利益剰余金-自己株式=株主資本)になります。

表1:株主資本の分類

このうち元手による資金調達では、表2のようにその元手の100%を資本金で処理する原則処理と、会社法が規定する50%以上を資本金、残りを資本準備金で処理する容認処理がありますが、資本金にする額が多いと、減資手続き、納税額、利益準備金額など、何かと手間のかかることが多くなるため、会社法に定める最低限の金額を資本金とする容認処理をとることが一般的ですが、結果的に資本金や資本準備金の元手から資金調達され、資産が増加したことが表されます。

表2:元手による資金調達

原則処理(資本金)を(当座預金)等に処理することで、(当座預金)等[資産]と(資本金)[純資産]が増加する。
例)(当座預金)1,000/(資本金)1,000
容認処理(資本金)および(資本準備金)を(当座預金)等に処理することで、(当座預金)[資産]、(資本金)[純資産]、(資本準備金)[純資産]等が増加する。
例)(当座預金)1,000/(資本金)500
              (資本準備金)500

さらに、元手によるに資金調達は、株式会社では株式が使われ、創設時の創設発行、設立後の増資があり、株式発行にかかる費用は、創立時の創立費、設立後~営業前の開業費、営業後の株式交付費に分けられます。このうち増資では、①申込期間中に申込者から申込証拠金を預かる、②申込者から選定した株主に株式を割当てるという工程をたどるため、(株式申込証拠金)[負債]という勘定科目を設けて表3のように処理します。

表3:増資の処理

申込証拠金受取(株式申込証拠金)を(別段預金)に処理することで、(別段預金)[資産]と(株式申込証拠金)[純資産]が増加する。
例)(別段預金)1,000/(株式申込証拠金)1,000
払込期日(資本金)および(資本準備金)を(株式申込証拠金)に、(別段預金)を(当座預金)等に処理することで、(資本金)[純資産]、(資本準備金)[純資産]、(当座預金)等[資産]、が増加、(株式申込証拠金)[純資産]、(別段預金)[資産]が減少する。
例)(株式申込証拠金)1,000/(資本金)500
                (資本準備金)500
  (当座預金)1,000/(別段預金)1,000

また利益による資金調達では、表4のように収益または費用の発生毎に資産の増減が起こりますが、発生した収益または費用の各勘定残高は決算時に損益勘定へ振替えて、さらにその貸借差額である当期純損益を繰越利益剰余金勘定に振替えることで、結果的に繰越利益剰余金の利益から資金調達され、資産が増加したことが表されます。

表4:利益による資金調達

損益発生(商品)等および(商品売買益)等を(当座預金)等に処理することで、(当座預金)[資産]と(商品売却益)[収益]等が増加、(商品)[資産]等が減少する。
例)(当座預金)2,000/(商品)1,000
             (商品売却益)1,000
帳簿の締め切り収益は(損益)を(商品売却益)等収益勘定に処理することで、収益勘定が減少、(損益)が増加し、費用は(商品売却損)等費用勘定を(損益)に処理することによって、費用勘定が減少、(損益)[決算総合勘定]が減少する。
例)(商品売却益)1,000/(損益)1,000
損益勘定の振替損益勘定合計残高がプラスなら(繰越利益剰余金)を(損益)に処理することで、(損益)[決算総合勘定]が減少、(繰越利益剰余金)[純利益]が増加し、損益勘定合計残高がマイナスなら(損益)を(繰越利益剰余金)に処理することで、(損益)[決算総合勘定]が増加、(繰越利益剰余金)[純利益]が減少する。
例)(損益)1,000/(繰越利益剰余金)1,000

繰越利益剰余金がプラス(貸方残高)の場合は株主に株主総会において配当することができます。表5のように繰越利益剰余金から配当しますが、無制限にできる訳ではなく、会社財産と債権者を保全の観点から会社法によって利益剰余金を、「資本金の1/4と法定準備金との差」と「株主配当金の1/10」のいずれか小さい方の金額だけ積立てないとなりません(※法定準備金は資本準備金と利益準備金の合計です、4(シ)本金の4分の1、配10(トウ)金の10分の1とすれば覚えやすいかも)。

表5:繰越利益剰余金の処分

利益準備金の決定(未払配当金)(利益準備金)(任意積立金)を(繰越利益剰余金)に処理することで、(繰越利益剰余金)[純利益]が減少し、(未払配当金)[負債]、(利益準備金)[純利益]、(任意積立金)[純利益]が増加する。
例)(繰越利益剰余金)1,300/(未払配当金)1,000
                (利益準備金)100
                (任意積立金)200
配当の支払い(当座預金)を(未払配当金)に処理することで、(未払配当金)[負債]と(当座預金)[資産]が減少する。
例)(未払配当金)1,000/(当座預金)1,000

繰越利益剰余金がマイナス(借方残高)の場合は補填が認められています。表6のように利益準備金や任意積立金などを株主総会において取り崩します。

表6:繰越利益剰余金の補填

(繰越利益剰余金)を(任意積立金)等に処理し、(任意積立金)等が減少、(繰越利益剰余金)が増加する。
例)(任意積立金)10/(繰越利益剰余金)10

引当金

引当金とは、将来に支出する出費に備えて準備する負債のうち、表1の4つの事項に当てはまるもので、表2のように評価性引当金負債性引当金に区別、表3のように決算時毎に差額補充法または洗替法によって処理しますが、会計上で大きな収益・費用の変動を防いだり、税務上で損金算入できるケースがあったりするなどのメリットがあります。

表1:引当金認定要件

  • 将来の特定の費用または損失の場合
  • 発生が当期以前の事象に起因する場合
  • 発生の可能性が高い場合
  • 金額を合理的に見積もることができる場合

表2:引当金の種類

評価性引当金将来の損失に備えるために計上する引当金
例)貸倒引当金、投資損失引当金
負債性引当金将来の費用に備えるために計上する引当金
例)賞与引当金、退職給付引当金、修繕引当金

表3:引当金の処理

差額補充法前期の貸倒引当金と当期に発生した貸倒引当金の差額を計上する仕訳方法
例)(貸倒引当金繰入)40/(貸倒引当金)40
洗替法前期の貸倒引当金の全額を取崩して新たに見積もった金額を計上する仕訳方法
例)(貸倒引当金)60/(貸倒引当金戻入)60
    (貸倒引当金繰入)100/(貸倒引当金)100

貸倒引当金

貸倒引当金は、売掛金などの債権について回収できない貸倒れが生じると予定される場合に備える評価性引当金の一つで、一般の債権については一括評価、回収可能性が低い債権は個別評価して金額を表1のように見積もり、表2のように処理します。

表1:貸倒引当金の設定額

貸倒引当金設定額
=(債権期末残高ー担保処分見込額)×貸倒設定率

表2:貸倒引当金の処理方法

決算時貸倒引当金設定額で(貸倒引当金)を(貸倒引当金繰入)に処理する。
例)(貸倒引当金繰入)80/(貸倒引当金)80
貸倒時債権残高で(売掛金)等を準備金額で(貸倒引当金)に処理し、差額を(貸倒損失)で計上する。ただし、当期発生分に関しては全額(貸倒損失)で計上する。
例)(貸倒引当金繰入)80
     (貸倒損失)20/(貸倒引当金)100

退職給付引当金

退職給付引当金は、将来予定の従業員の退職金の支払いに備える負債性引当金の一つで、表1のように処理します。

決算時当期分退職金額で(退職給付引当金)を(退職給付引当金繰入)に処理する。
例)(退職給付引当金繰入)80/(退職給付引当金)80
支給時退職金全額で(現金)等を(退職給付引当金)に処理する。
例)(退職給付引当金繰入)100/(現金)100

賞与引当金

賞与引当金は、将来予定の従業員の賞与の支払いに備える負債性引当金の一つで、表1のように処理します。

決算時当期分賞与金額で(賞与引当金)を(賞与引当金繰入)に処理する。
例)(賞与引当金繰入)80/(賞与引当金)80
支給時賞与全額で(当座預金)等を準備金額で(賞与引当金)に処理し、差額を(賞与)で計上する。
例)(賞与引当金繰入)80
       (賞与)20/(当座預金)100

修繕引当金

修繕引当金は、機械などの固定資産について毎年行われる修繕が次期にずれ込むことが予定される場合に備える負債性引当金の一つで、表1のように処理します。

表1:修繕引当金の処理方法

決算時修繕引当金設定額で(修繕引当金)を(修繕引当金繰入)に処理する。
例)(修繕引当金繰入)80/(修繕引当金)80
支払時修繕費全額で(当座預金)等を準備金額で(修繕引当金)に処理し、差額を(修繕費)で計上する。ただし、当期発生分に関しては全額(修繕費)で計上する。
例)(修繕引当金繰入)80
      (修繕費)20/(当座預金)100
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