【運用】ステップ1:ファイナンシャルプランニング
固定消費 | 固定投資 | 変動消費 | 変動投資 | |
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ステップ1 ファイナンシャルプランニング | 税金/保険 | 貯蓄/運用 | 生活/遊行 | 事業/教育 |
ステップ2 戦略選定 | 税金/保険 | 貯蓄/運用 | 生活/遊行 | 事業/教育 |
ステップ3 商品選定 | 税金/保険 | 貯蓄/運用 | 生活/遊行 | 事業/教育 |
ステップ4 購入方法選定 | 税金/保険 | 貯蓄/運用 | 生活/遊行 | 事業/教育 |
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運用における簿記について取り扱います。
〈工程別〉記帳の方法
有価証券の売買
表1:有価証券売買の仕訳
購入 | 購入時手数料も付加した取得価格で(現金)や(未払金)等を(売買目的有価証券)等に処理します。 例)(売買目的有価証券)10,100/(現金)10,100 |
売却 | 帳簿価格(簿価)で(売買目的有価証券)等を(現金)や(未収入金)等に処理し、その差額は(有価証券売却益)または(有価証券売却損)を計上します。 例)(現金)10,200/(売買目的有価証券)10,100 (有価証券売却益)100 |
有価証券を購入したときの仕訳
有価証券を購入したときは、取得価格を計上します。
取得価格
=個別元本+購入手数料
=(単価×数量)×(1+購入手数料率)
たとえば、取得口数:1.25万口、基準価格:8,000円 購入手数料:1%、の場合で所得価格を計算してみますと、基準価格は投資信託1万口あたりの価格のことで、1.25万口を1万口あたり8,000円で購入、購入時の手数料は1%なので、投資信託の取得価格は、(1.25万口×@8,000)×(1+1%)=10,100円となります。
有価証券を売却したときの仕訳
複数回で有価証券を購入しこれらを売却したときは、売却有価証券の帳簿価格は以下の式から算出しますが、ここでの平均取得単価の算出には購入した有価証券の合計額を購入した合計数量で割る総平均法(正確には総平均法に準ずる方法)を用い、平均単価で帳簿価格を求める平均原価法といいます。
売却有価証券の帳簿価格
=平均取得単価×売却数量
=(合計取得金額/合計取得数量)×売却数量
たとえば次の場合で売却有価証券の帳簿価格を計算をしてみましょう。
購買1回目 取得口数:1.25万口 基準価格:8,000円 購入手数料:1%
購買2回目 取得口数:1.60万口 基準価格:6,250円 購入手数料:1%
購買3回目 取得口数:1.00万口 基準価格:10,000円 購入手数料:1%
売却1回目 売却口数:2.00万口
先ほどの計算方法で各有価証券の取得価格を出しましょう。
購買1回目 (1.25万口×@8,000円)×(1+1%)=10,100円
購買2回目 (1.60万口×@6,250円)×(1+1%)=10,100円
購買3回目 (1.00万口×@10,000円)×(1+1%)=10,100円
ここで取得価格と口数それぞれの合計を出していきます。
取得価格計 10,100円+10,100円+10,100円=30,300円
口数計 1.25万口+1.60万口+1.00万口=3.85万口
これで必要な数字は揃いましたので、この場合の売却有価証券帳簿価格を出しましょう。
(30,300円/3.85万口)×2万口=15,740円 ※小数点以下四捨五入
複数回取得の間に売却があった場合
次の例で計算してみましょう。
投資信託A 取得口数:200万口 個別元本:186万円 取得価格:1,900,176円
投資信託B 取得口数:100万口 個別元本:084万円 取得価格:0,858,144円
売却 150万口
投資信託C 取得口数:100万口 個別元本:270万円 取得価格:2,758,320円
まずは投資信託AとB、売却までの平均個別元本と平均取得価格を算出しましょう。
平均個別元本 (186万円+84万円)÷(200口+100口)=@9,000
平均取得価格 (1,900,176円+858,144円)÷(200口+100口)=@9,194.40
ここで売却が150万口あったので、保有口数は
200万口+100万口-150万口=150万口
となりますので、まとめると次のようになります。
保有口数150万口 平均個別元本9,000円 平均取得価格9,194.40円
個別元本135万円 取得価格1,379,160円
これを売却後に取得した投資信託Cと平均をだしていきます。
平均個別元本 (270万円+135万円)÷(150口+100口)=@8,800
平均取得価格 (2,758,320円+1,379,160円)÷(150口+100口)=@8,990.08
決算時の仕訳
資産負債の評価方法には、取得原価主義に基づく洗替法と、時価評価主義に基づく切放法があります。洗替法は、期末で時価に期末において、いったん時価評価した後、翌期首に逆仕訳により取得価額に戻し、切放法は翌期首の逆仕訳を行わず、時価評価のままにしておく処理方法で、図表のように有価証券においては、売買目的有価証券は切放法または洗替法、その他有価証券は洗替法で処理し、また満期保有目的有価証券および子会社関連会社有価証券は評価替えを行いません。
図表:有価証券の評価替え
満期保有目的有価債券
満期保有目的有価債券は評価替えは行いませんが、額面金額でない金額で購入したときに生じる額面金額と取得金額との差である金利調整差額は、金利の調整と認めれる場合においては、次の式で算出される金額で(有価証券利息)を(満期保有目的債券)に償却する償却原価法で処理します。
金利調整差額当期加減額(償却原価法)
=金利調整差額×期間満了率
=(額面金額ー取得価格)×(当期所有月数/取得日から満期日の月数)
(満期保有目的債券)20 | (有価証券利息)20 |
その他有価証券
その他有価証券の場合は洗替法で処理します。その他有価証券評価差額金の純資産勘定で全額を差額を計上する全部純資産直入法と、損失が出た場合のみ当期末は有価証券評価損の費用勘定、翌期首は有価証券評価益の収益勘定で、収益が出た場合はその他有価証券評価差額金の純資産勘定で計上する一部純資産直入法の二つの方法があります。
〈勘定別〉記帳の方法
簿記の記帳では有価証券は目的に応じて、売買目的有価証券、満期保有目的債券、子会社有価証券、その他有価証券の4種類の科目に分類しますが、子会社有価証券は連結決算の項目に譲り、ここでは、売買目的有価証券、満期保有目的債券、その他有価証券についてみていきましょう。
利払日以外の日に公社債を売却したときの仕訳
利払日以外の日に公社債を売却したときは、取得価格で(売買目的有価証券)を、1年分の利息を日割りした端数利息で(有価証券利息)を(現金)等で処理し、差額を(有価証券売却益)または(有価証券売却損)で計上します。
端数利息
=1年分の利息×日割
=(額面価格×利率)×(前回利払日翌日から売却日までの日数/365日)
(現金)9,944 | (売買目的有価証券)9,700 |
(有価証券利息)144 | |
(有価証券売却益)100 |
利払日以外の日に公社債を購入したときの仕訳
利払日以外の日に公社債を購入したときは、(現金)等を取得価格で(売買目的有価証券)、端数利息で(有価証券利息)に処理する。
(売買目的有価証券)9,800 | (現金)9,944 |
(有価証券利息)144 |
有価証券から配当金や利息を受け取ったときの仕訳
配当金領収書や利札を受け取ったときは、(受取配当金)や(有価証券利息)を(現金)に処理します。
(現金)80 | (受取配当金)80 |