固定消費 | 変動消費 | 固定投資 | 変動投資 | |
---|---|---|---|---|
ステップ1 ファイナンシャルプランニング | 税金/保険 | 生活/遊行 | 貯蓄/運用 | 事業/教育 |
ステップ2 戦略選定 | 税金/保険 | 生活/遊行 | 貯蓄/運用 | 事業/教育 |
ステップ3 商品選定 | 税金/保険 | 生活/遊行 | 貯蓄/運用 | 事業/教育 |
ステップ4 購入方法選定 | 税金/保険 | 生活/遊行 | 貯蓄/運用 | 事業/教育 |
_
方針:アセットアロケーション運用を「賢く」実践していく。
管理人はマネーセンスカレッジのチーム7パーセントの有料会員であり、そこでは債券不要論に大きく反対するアセットアロケーション運用・全世界投資が推奨されています。
一方管理人は、アセットアロケーション運用・全世界投資だけでなく、特定の状況においては投資対象資産を使い分けることで、ポイントや税制面で少しでもお得なサービスを選択することで、理想・最強のアセットアロケーションを目指します。
結論:たまごを一つのカゴに盛るな。
いくつものカゴに分けて卵を盛っていれば、一つのカゴを落としても、他のカゴは無事であるため、被害を軽減することができるように、日本の債券や先進国の株式といったカゴに分けてお金を盛っていれば、暴落があっても被害を軽減できやすい、という投資の世界で有名な格言です。
リスクマネジメント理論で投資におけるリスクは「発生頻度が多いが、影響度が少ない」という特徴に当たり、この特徴の場合に取るべき投資家の行動は「減少」、つまりリスクを減らす戦略を採ることです。
そこで使われる理論がアセットアロケーション(Asset Allocation;資産配分)で、これが投資成績の9割を決めると言われます。
ポートフォリオのリターンの違いのうち、94%はアセットアロケーションで説明できる。
John C. Bogle『インデックス投資は勝者のゲーム──株式市場から利益を得る常識的方法』
アセットアロケーション(資産配分)は、資産をいくつかの資産クラスに分け、そのクラスごとに配分を決めていく分散投資の手法の一つです。
それでは、なぜアセットアロケーション(資産配分)を考えることが、投資のリスクを減らし、投資成績のほとんどを決めることになるのでしょうか、こちらの記事でまとめていきます。
まあ理屈はいろいろあるにせよ、ブログ管理人がアセットアロケーションがいいなと思うのは、こんな個人的な気持ちのこともあったりします。
- 日本国国債や新興国株が上がっているのに先進国株式にしか投資していなかったら、指をくわえてみることができないから。
- 100点を目指すよりも80点を目指して他のこともしてみたいから。
- コレクター精神でいろんなものを集めたりやってみたいから。
_
【方針別】アセットアロケーションの配分例紹介
アセットアロケーションにおける資産
アセットアロケーションは資産配分のことですが、ここでいう資産とは次のように、金融商品と地域の基準で分類します。
債券 | 株式 | 不動産 | |
---|---|---|---|
日本国 | 日本国 債券 | 日本国 株式 | 日本国 不動産 |
先進国 | 先進国 債券 | 先進国 株式 | 先進国 不動産 |
新興国 | 新興国 債券 | 新興国 株式 | 新興国 不動産 |
金融商品は「債券」(Bond)「株式」(Stock)「不動産」(Estate)、地域は「日本国」(Japan)「先進国」(Developed countries)「新興国」(Emerging countries)、つまり、3×3=9つの資産、「日本国債券」「日本国株式」「日本国不動産」「先進国債券」「先進国株式」「先進国不動産」「新興国債券」「新興国株式」「新興国不動産」 に分けることができます。
また、「日本国債券」や「先進国株式」の分類のことを資産クラスといいます。
この資産クラスにそれぞれ割合を設定して、「全体資産」で方針通りの成果が出れば投資の成功とする、これがアセットアロケーションということができます。
_
最強のアセットアロケーションの3つの方針
「全体資産」で方針通りに、ということですが、その方針にはどんなものがあるでしょうか。
人によってライフプランも違えば、投資に対するスタンスも違うでしょうから、一概に理想のアセットアロケーション、最強のアセットアロケーションというのを紹介することはできません。
ただし大きな方針として次のようなパターンがあります。
- リターン最大
- シャープレシオ最高
- リスク最小
_
資産クラスごとのパフォーマンス
方針が決まれば資産選び、たとえばリターン重視方針の人は一番リターンが高いものはどれだろうとなるのではないでしょうか。
有名な次のサイトで資産クラスごとのパフォーマンスを確認することができます。
各資産クラスごと15年年率平均リターン/リスク/シャープレシオ(2021年8月時点)は以下の通りです(myINDEX)。
- 日本国債券 +1.8%/01.8%/1.0
※NOMURA-BPI Overall - 先進国債券 +3.2%/09.1%/0.3
※FTSE/Citigroup WGBI Non-JPY (JPY) - 新興国債券 +6.0%/11.9%/0.5
※JPMorgan Emerging Market Bond Index (EMBI) Global (JPY) - 日本国株式 +3.8%/19.2%/0.2
※NIKKEI 225 - 先進国株式 +8.5%/20.0%/0.4
※MSCI KOKUSAI Index (World ex Japan) (JPY) - 新興国株式 +5.9%/23.5%/0.3
※MSCI Emerging Markets Index (EM) (JPY) - 日本国不動産 +6.3%/19.4%/0.7
※TSE REIT Index Total Return - 先進国不動産 +5.3%/22.8%/0.2
※S&P Developed Ex-Japan REIT (JPY) - 新興国不動産 +3.1%/24.2%/0.1
※S&P Emerging REIT (JPY)
リターン最大なら先進国株式、リスク最小なら日本国債券、シャープレシオ最高なら日本国不動産に投資したらいいのではないかと読み解けます。
しかしこれは15年で区切った時の数字であり、区切るタイミングや、または切り取る期間を変えれば、結果も大きく変わるかもしれません。
2016年~2020年の年次ごとリターン1位は以下の通りです。
2016年 国内REIT 9.9%
三井住友トランスアセットマネージメント「2020年の各資産収益率、株式/為替市場の振り返り」
2017年 新興国株式 33.6%
2018年 国内REIT 11.1%
2019年 先進国株式 27.5%
2020年 新興国株式 12.1%
年次でトップを連続でとる資産クラスはなかなかなく、またブービーを連続でとる資産クラスもなかなかありませんが、一つの資産クラスだけならトップを取ることもあれば、ブービーをとることもありますので、うまく相場を見て入れ替えなければ安定した成績は得られません。
アセットアロケーションでは各クラスの資産を組合せることで、毎年資産クラスの入替えを行うことなく目的のリターン、リスク、シャープレシオを目指していきます。
このアセットアロケーション(資産配分)、●●資産クラスを○%で、●●資産クラスを○%でと組み合わせを考えるには二つのアプローチがあります。
どう値動きするかという結果は一つしかないので、どちらのアプローチをとったとしても同じ解答が出るはずです(完全に予測することはできませんが)。
_
アセットアロケーションの社会学的アプローチ
一つ目が社会学的アプローチ、実態経済に基づいて考察するファンダメンタル(根本的)分析のアプローチのことです。
国内:国外資産の割合
まず着目すべきは国内資産と国外資産の割合ですが、これはあなたが依存する通貨によります。
投資の世界では長らくホームバイアスと言って、自国の資産クラスにあまりにも多く配分している傾向がみられましたが、日本は現在、食糧自給率38%(2017年度)やエネルギー自給率11.8%(2018年度)からも分かるように、第一次産業や第二次産業での国外依存度が高まっていますので、例えばファミリーレストランなど国外の安価な素材をよく食べるような方ほど、その国外の通貨に依存していますので、その国外の通貨の資産配分を高めておいた方がよいでしょう。
逆に今日はドメスティックリスク、他国の資産クラスにあまりにも多く配分している傾向が見られますが、とはいっても日本の主要産業はいわゆる第三次産業72.09%(2018年度)で、ここには日本円での支払いが必要ですあり、このブログにたどり着いた方はおそらくメインで使う通貨が日本円ということができるでしょうから、日本円で生活する以上、日本円が棄損される可能性がある国外資産への過剰な配分は避けるべきです。
_
株式:債券等資産の割合
次に着目すべきは株式資産と債券等資産の割合ですが、これには会計での次のバランスシートの考え方が必要です。
- 資産=負債(債券)+資本(株式)
資産を調達するためには、負債(債券)で手に入れるか、資本(株式)で手に入れるしかありません。
世界規模でも同じで、世界に存在するの負債(債券)と資本(株式)に投資することで世界全体への投資は可能と考えられます。
自己資本ともいわれる資本(株式)は返済が発生しない一方、他人資本ともいわれる負債(債券)は返済が発生します。
その為一般に、全資産に対して自己資本(株式)の割合(自己資本比率)は40%越えで一般、50%越えで優良とされています。
ただしこれは投資を受ける側の企業の話で、投資をする側の我々にとっては逆に、他人資本(債券)の割合(他人資本比率)が40%越えで一般、50%越えで優良と読替えれるでしょう。
_
アセットアロケーションの工学的アプローチ
二つ目が工学的アプローチ、過去の統計から算出するテクニカル(技術的)分析のアプローチのことです。
同じリターンの金融商品でも、一つはリスクの大きいもの、もう一つがリスクの小さいものなら、リスクの小さいものを選ぶのではないでしょうか。
相関が違う資産クラスを組合せることで、このリターンを変えずにリスクを下げる、ということができるのです。
負の相関の資産クラスを組合わせるとリスク低減効果が高い
二つの資産AとBがあったとして、 この二つの資産の値動きの関係は大きく三つに分けられます。
- 正相関:資産A↗ ⇒ 資産B↗
- 無相関:資産A↗ ⇒ 資産B?
- 負相関:資産A↗ ⇒ 資産B↘
このうち特に三つ目の負の相関、資産Aが値上がれば資産Bが値下がる、という二つの資産を持っていれば、資産全体としては下図(金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」)のように価格の変動が小さくなります。

正相関や無相関でも、完全に値動きが同じ(相関1)でなければリスクを抑える効果があります。
_
一般市場連動指数 vs 賢い市場連動指数
結論:一般市場連動指数を目標にすることをおすすめします。
一般市場連動指数
時価総額加重平均型指数 | 市場全体の時価総額の加重平均で算出された指数 |
株価平均型指数 | 組入銘柄の株価合計を除数で除算して求めるた指数 |
賢い市場連動指標(smart β)・・・企業財務データで算出された指標
最小分散指数 | 元になる株価指数のリスクを強制的に抑制した指数 |
企業価値加重平均型指数 | 市場全体の財務的価値の加重平均で算出された指数 |
企業規模加重平均型指数 | 市場全体の企業規模の加重平均で算出された指数 |
高配当指数 | 高配当利回銘柄や連続増配銘柄を割り出した指数 |
時価総額加重平均と均等加重平均
時価総額加重平均のインデックスは100点ではありません。
均等加重平均の方が長期のリターンが良いという見解もあります。
ただ、選べる商品はコストが高めですし、数も少ないので、自分で商品を組み合わせてする必要がありますね。
個人的には時価総額と均等の間が好みです。
時価総額加重平均のデメリット
時価総額の多い銘柄が大きい割合になるために、その割合の大きい銘柄の影響を受けやすい特徴があります。バブルと言われるようなの銘柄が多く含まれるなら、下落を考慮して保有を避けたいところ。
_
効率的フロンティア
リスクを抑えても、リターンが下がるなら分散投資をしないという考え方もあるでしょう。
しかし、リターンが大きく下がらずにリスクが下がるならどうでしょうか。
下図は資産の組合せ割合を変えた時のリスクやリターンの変化を相関係数ごとにグラフ化したものです。

ちなみに、オレンジ色の線は効率的フロンティアと呼びます。
このグラフは資産が二つ以上の複数の場合でももちろん作ることができます。
自分好みのリターンとリスクのバランスを探すのに役立ちそうです。
また、同じシャープレシオならリスクの低い方が元本割れ確率が低くなります。
_
【配分別】アセットアロケーション方針紹介
カウチポテトポートフォリオ
カウチソファーでポテトを食べながらでも運用できるという手軽さがウリの商品配分戦略です。
現金持高と非現金持高を50:50でもつというシンプルさから次のメリットがあり、よくおすすめされます。
- 投資商品が少なくすむため、購入や売却、記録、リバランスなど、管理の負担が少ないこと
- 現金を厚めに配分しているため、非現金資産の値動きに慣れることができること
_
マネーセンスカレッジのチーム7%のアセットアロケーション

マネーセンスカレッジは、ドメスティックリスクから日本国、リスク調整や暴落時の資金の置場として債券への投資を推奨していることが特色で、全世界投資、世界中の資産にまんべんなく投資して、全世界の経済成長に乗っていくという方針を掲げています。
そのためシャープレシオ、リスクとリターンのバランスを適切に設定して安定的に資産を増やしていくことを重視していて、ジェットコースターのような暴落時の下げ幅をマイルドにしつてリスクを抑えつつも、リバランスを適切に行うことでリターンを重ねていくスタイルといえます。
具体的な推奨アセットアロケーション(資産配分)は、チーム7%会員にのみに公開されていますが、YouTubeの公開情報でも以下のことまでは推測できます。
- 国内:国外比率 1:2
- 債券:株式:不動産比率 4:5:1
- 株式の日本国:先進国:新興国比率 4:3:3
Money Sense College 資産配分関連Youtube動画一覧
- 【きになるマネーセンス439】【暴落が怖い・不安・辛い…】株暴落!そんなに辛いなら債券を加えた全世界投資にかえないかい?
- 【きになるマネーセンス435】アセットアロケーション投資(国際分散投資)で投資初心者が抱える5つの問題点
- 【きになるマネーセンス420】【投資の始め時】今投資を始めても大丈夫?何を買えばいい?
- 【きになるマネーセンス407】【図解】株式・債券・FXなど投資商品別のリスクとリターン比較
- 【きになるマネーセンス401】勘違いしてない?全世界投資と全世界株式の違い
- 【きになるマネーセンス379】高配当株投資は株、金投資は金、アセットアロケーション投資は何に投資するの?
- 【きになるマネーセンス376】つみたてNISAで株式、特定口座で債券を買うのはアリなのか?
- 【きになるマネーセンス370】つみたてNISAに債券不要論5つ。それでも債券を組み入れる理由
- 【きになるマネーセンス369】【誰も言わない】つみたてNISA(積立NISA)はデメリットしかない?!(後編)
- 【きになるマネーセンス368】【誰も言わない】つみたてNISA(積立NISA)はデメリットしかない?!(前編)
- 【きになるマネーセンス362】GPIFが10年間の運用利回り全部プラスだったのでチーム7%でも検証してみた
- 【きになるマネーセンス342】【運用結果公開】チーム7%で3年間運用してみた
- 【きになるマネーセンス#310】【金投資家は必見】金の産出量最大の中国が、なお金を買い占める理由
- 【きになるマネーセンス277】つみたてNISA(積立NISA)で運用するならおすすめファンドはこれ!(2つの条件付き)【2020年版】
- 【きになるマネーセンス276】つみたてNISA(積立NISA)が投資初心者に向いていない2つの理由【2020年版】
- 【きになるマネーセンス#269】コロナ後の投資に国内REIT(リート)は不要では?
- 【きになるマネーセンス#262】【嘘八百】長期でホールドすれば債券よりも株式の方がローリスク・ハイリターン
- 【きになるマネーセンス#260】金(ゴールド)の価格が40年ぶりの高値更新。金投資は必要か?
- 【きになるマネーセンス#234】投資初心者が全世界投資から始めると良い5つの理由
- 【きになるマネーセンス#213】バフェットも推奨!S&P500全力投資に物申す
- 【きになるマネーセンス#148】全世界が右肩上がりに成長してるって本当?
- 【きになるマネーセンス#146】アセットバランスの正解は?世界のGDP構成比率に合わせればいい?
- 【きになるマネーセンス122】つみたてNISA(積立NISA)で運用するならおすすめファンド商品はこれ!(条件付き)
- 【きになるマネーセンス#106】日本株式が好調なのにJ REITが低迷な理由
- newsletter20130926「アセットアロケーションの資産配分」
_