総論では、人生・金融設計(ライフ・ファイナンシャルプランニング / life&financial planning)とは、限られた資源をどこへ配分するかを考える資源配分(リソースアロケーション / resource allocation)であるとお伝えしました。ここでは、その考え方を筆者自身がどのように実践しているか、具体的な方針を紹介します。
総論|なぜ均等配分を選ぶのか
資源が偏ることで起きること
お金にだけ資源を集中させれば、資産は増えても、健康を損なったり、学び直す時間がなくなったりすることがあります。逆に、健康や学びにばかり資源を割けば、将来に備えるお金が足りなくなります。一つの資源に偏った配分は、その資源を伸ばす一方で、他の資源を静かに削っていきます。筆者は、この偏りこそが人生設計を難しくする最大の原因だと考えています。
均等配分という基準を持つ意味
だからこそ筆者は、将来的資源・社会的資源・生物的資源・個人的資源の4つに、資源をできるだけ均等に配分するという方針を持っています。これは、常に4等分せよという厳密なルールではありません。何かに資源を使おうとするたびに立ち返る基準を持つことで、無自覚な偏りに気づきやすくなる、という意味での均等です。基準があるからこそ、あえて一つの資源に多く配分する判断も、納得したうえで下せるようになります。
均等の基準をどう考えるか
均等かどうかは、通帳の残高だけを見て判断できるものではありません。時間、体力、注意力といった目に見えにくい資源も含めて、4つの領域にどれだけ向けられているかを、定期的に点検する必要があります。筆者はこの点検を、ライフイベント表とキャッシュフロー表を使って行っています。結婚や転職といった出来事が起きるたびに、配分のバランスが崩れていないかを確認し、必要であれば調整しています。
→ 詳細記事「ライフイベント表・キャッシュフロー表の作り方」へ
各論|4つの資源への配分の考え方
将来的資源への配分
将来的資源については、目的別の資金管理と、手段別の資産管理を分けて考えることを大切にしています。教育資金や老後資金といった目的をまず明確にし、そのうえで預貯金やNISA、iDeCoといった手段をどう組み合わせるかを決めます。今の生活を犠牲にしてまで将来へ資源を寄せすぎないことも、均等配分の一部として意識しています。
→ 詳細記事「将来的資源の記事一覧」へ
社会的資源への配分
社会的資源への配分は、お金だけでなく、制度を理解するための時間も含めて考えます。税務や法務、保険といった仕組みは、知らないままだと不利益を被りやすい領域です。筆者は、社会の仕組みを学ぶことそのものを一つの資源配分だと捉え、税金や保険の見直しに定期的に時間を割くようにしています。
→ 詳細記事「社会的資源の記事一覧」へ
生物的資源への配分
生物的資源は、後回しにされやすい一方で、崩れると他のすべての資源に影響が及ぶ領域です。筆者は、食事や運動、睡眠、健康診断といった身体の土台と、住環境や防災といった暮らしの土台の両方に、意識的に資源を残すようにしています。将来のためにと切り詰めすぎず、今の身体と生活を維持することも、長期的には将来的資源を守ることにつながると考えています。
→ 詳細記事「生物的資源の記事一覧」へ
個人的資源への配分
個人的資源は、資産のように数字で見えにくいため、後回しにしやすい領域です。しかし、品質管理や情報管理といった考え方を学び、自分の能力や生活の質を高めることは、他の3つの資源を扱う力そのものを底上げしてくれます。筆者は、学び直しや新しい知識のインプットにも、意識して時間という資源を配分するようにしています。
→ 詳細記事「個人的資源の記事一覧」へ
4つの資源に均等に配分するという方針は、一度決めたら終わりではなく、点検と修正を繰り返すことで初めて機能します。次は、その点検の具体的な方法として、ライフイベント表とキャッシュフロー表の作り方を見ていきます。
