人生・財務設計とは 理想からお金の流れを設計する

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総論|人生・財務設計とはどのような考え方か

二つの視点が一体になっている

人生・財務設計(ライフ・ファイナンシャルプランニング / life&financial planning)とは、あなたがどう生きたいかという理想から出発し、それを実現するために必要なお金の流れを設計する考え方です。

この言葉は、二つの視点が組み合わさってできています。一つは、あなたの理想の暮らしや将来像を描くライフプランニングの視点です。もう一つは、その理想を実現するために、いつ、いくら、何のためにお金を用意するのかという、資金計画の技術的な視点です。理想を描くことと、それを数字に落とし込むことは、実務のうえではほとんど一体のものとして扱われます。理想だけでは絵に描いた餅になり、数字だけでは何のための計画か分からなくなるからです。

人生設計の中で、この理論が担う役割

人生設計(ライフプランニング / life planning)とは、限られた資源を配分しながら人生の目的を実現するための設計です。そして、その人生設計を実現するための中心的な意思決定が、資源配分(リソースアロケーション / resource allocation)です。

人生・財務設計は、この資源配分という意思決定の出発点にあたります。何にいくら配分するかを決める前に、まず「何のために生きたいか」「そのためにいつ、何にお金が必要になるか」を定める。この理論がなければ、資源配分は目的を持たないまま、その場しのぎの判断の積み重ねになってしまいます。

この理論が果たす3つの役割

人生・財務設計が果たす役割は、次の3つに整理できます。

自己実現は、あなたが「こう生きたい」と思う将来像を、漠然とした願望のままにせず、具体的な計画に変換する役割です。子どもにどんな教育を受けさせたいか、どんな家に住みたいか、老後をどう過ごしたいか。こうした願いは、言葉にしないままだと、日々の生活の中で優先順位から外れていきがちです。

資金ショートの防止は、教育費や住宅費、老後資金など、将来必ず発生する支出をあらかじめ把握し、必要なときに資金が足りなくなる事態を避ける役割です。支出は突然やってくるように感じても、実際には多くが予測可能なタイミングで発生します。

資源配分は、限られた収入を、どの時期に、何のために振り向けるかという優先順位づけそのものを担う役割です。すべての希望を同時に叶えることはできない以上、何を先に、何を後にするかを決める土台をこの理論が用意します。

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各論|人生・財務設計を形にする道具

ライフプランニング — 理想を描く

ライフプランニングの実務は、抽象的な願望を、具体的な出来事のリストに変換する作業から始まります。結婚、出産、子どもの進学、住宅の購入、独立や転職、退職後の暮らし方。あなたにとって何が起こりうるか、そしてそれぞれをどう迎えたいかを、一つひとつ言葉にしていきます。

ここで大切なのは、理想を我慢して現実的な範囲に収めようとしないことです。まず理想をそのまま描き、実現可能かどうかの調整は、後の資金計画の段階で行います。

ライフイベント表 — 将来の支出を可視化する道具

理想を描いたら、それを年表の形に整理します。これがライフイベント表です。あなたと家族それぞれの年齢を横軸に、結婚・出産・進学・住宅購入・退職といった出来事と、その時点で想定される支出額を書き込んでいきます。

ライフイベント表を作ると、これまで漠然と「いつか大きな出費がある」としか感じていなかったものが、「何年後に、いくら必要になるか」という具体的な形で見えるようになります。

キャッシュフロー表 — 資金の流れを数値化する道具

ライフイベント表で洗い出した支出を、毎年の収入や既存の支出と突き合わせ、年ごとの収支と資産残高の推移を計算したものが、キャッシュフロー表です。ある年の収支は、その年の収入から支出を差し引いた金額であり、それを毎年積み重ねていくことで、資産残高がどう推移するかが分かります。

この表を作ることで、「何年後に資金がマイナスになりそうか」「どの時点で対策が必要か」が、感覚ではなく数字として把握できるようになります。

ファイナンシャルプランニング — 資金計画に落とし込む

ライフイベント表とキャッシュフロー表で将来の姿が見えたら、それを実際にどう準備するかという技術的な計画に落とし込みます。毎月いくら貯蓄や投資にまわすか、どの制度や金融商品を使うか、資金が不足しそうな時期にどう手を打つか。ここで初めて、収入・貯蓄・借入などの具体的な手段が検討の対象になります。

理想を描くことと、それを数字で裏づけることと、実行の手段を選ぶこと。この一連の流れが揃って初めて、人生・財務設計は機能します。

人生・財務設計が定めた目的と数字は、そのままでは実行に移されません。それを配分として実行に移すのが本多静六の資産形成理論であり、実行の途中で起こる不確実な事態に備えるのが不確実性管理です。この3つがそろって、初めて資源配分は絵空事で終わらずに済みます。

→ 詳細記事「資源配分を支える3つの理論」へ

→ 詳細記事「将来的資源」へ

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